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透析患者の生命予後や心血管イベントと尿酸生成抑制薬(XOR阻害薬)による治療との関連性における、尿酸排泄トランスポーター機能保持の重要性

Digital PR Platform / 2024年9月25日 14時0分

研究内容
 6,791 名の患者のイベント発生、検査所見、合併症、併用薬などが経時的に記録されている透析データシステムを用いて、2016 年から2019 年の3 年間の縦断的データを解析しました。解析手法としては、時間とともに処方内容が変化する際に生じる問題である時間依存性交絡を調整して処方とイベント発生の因果関係を明らかにすることを目的とした周辺構造モデルを用いました。解析はすべて統計ソフトSAS®︎を使用しました。その結果、死亡に対しては、アロプリノールとフェブキソスタットの両方が非治療群よりも有意に良好な生存を示しました(図2a,b)。


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図2a 死亡までの時間に対する生存曲線。




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図2b 周辺構造モデルによる死亡に対するハザード比の推定結果。

 また、心血管イベントに対しては、アロプリノールには有意な抑制効果が見られた一方で(HR:0.89、95%CI:0.84-0.95)、フェブキソスタットには抑制効果が認められませんでした(HR:1.01、95%CI:0.96-1. 07)(図3a,b)。


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図3a 初回心血管イベント発生までの時間に対する生存曲線。




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図3b 周辺構造モデルによる心血管イベント発生に対するハザード比の推定結果。

 2種の尿酸生成抑制薬間で心血管イベント抑制効果に違いが認められた要因として、フェブキソスタットが尿毒症性物質の排泄トランスポーター(adenosine triphosphate-binding cassette transporter G2:ABCG2*4)を、強く阻害する作用を有することが考えられます。ABCG2はヒトの腸管上皮細胞および腎臓尿細管上皮細胞に発現する尿酸や尿毒症性物質、薬剤を排泄するトランスポーターですが、日本人はABCG2の機能低下型遺伝子多型*5の頻度が高いことが知られていて、健康診断で若年から高尿酸血症を指摘されることも多いとされています。今回は腎機能が廃絶した透析患者に対する解析結果のため、この結果はフェブキソスタットが腸管のABCG2を阻害したことによる排泄抑制効果だと推測されます。また、健康診断で指摘された一般の高尿酸血症治療でも、XOR阻害薬による酸化ストレス抑制とともにABCG2の排泄機能を保持する治療戦略が将来の心血管イベント抑制および腎機能保持につながることを示唆した点でも重要です。

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