川栄李奈はなぜ「脇役の女王」になれたのか

dmenu映画 / 2019年3月3日 11時0分

画像はイメージ(画像素材:PIXTA)

2018年は5本の映画や多数のドラマに出演、「A-Studio」(TBS系)の10代目サブMCに抜擢され、CM起用社数でも11社と大ブレイク中の川栄李奈。今年もすでに大河ドラマ「いだてん ~東京オリムピック噺~」(NHK)、菅田将暉主演の「3年A組―今から皆さんは、人質です―」(日本テレビ系)と話題のドラマに出演。さらに3月1日公開の『九月の恋と出会うまで』、6月14日公開の『泣くな赤鬼』へ出演するなど、もはや“元AKB48”という冠が不要なほど女優として進境著しい。

AKB48卒業発表のステージで自身の演技力にダメ出し

2015年3月26日、AKB48の単独コンサートでグループ卒業を発表した際、女優の道へ進むことを明かした川栄。自分はAKBでなければ通用しないし演技も下手であるため、きちんと勉強して夢を追いかけたいとその意気込みを語った。この言葉が象徴するように、AKB48卒業後、川栄は役の大小にかかわらず数多くのドラマに出演して演技力を磨いた。

その当時を振り返って、川栄のマネージャー・佐々木重徳氏はエイベックス公式サイトのコラムで、「お仕事をいただけたらやらせていただくというシンプルな理由で地道に積み重ねていった結果、今の川栄があるのではないかと思う。(中略)川栄と僕たちの今後は、これまで通り感謝と低姿勢を忘れず、引き続き真面目に、地道に仕事をしていくだけだ」と綴っている。

佐々木氏の言葉にもあるように、これだけブレイクをしている今も、おごることなく、真面目かつ謙虚な姿勢で仕事に取り組んでいるところが業界で受けているようだ。実際、『クイック・ジャパンvol.137』(2018年4月24日発売)の取材では「絶対、天狗にならない自信があります(笑)。なるんだったらAKBのときになってますしね」と売れっ子女優らしからぬ控えめな発言を残している。

映画の主演をつとめることで脇役の大切さを知る

女優として謙虚な姿勢は、『恋のしずく』(2018年)で映画初主演をつとめたことで、より強固となったようだ。2018年10月21日に行われた同作の舞台あいさつや同作関連のインタビューでは、実際に自分が主演をつとめたことで脇役の大切さを実感したと語っている。

そうした献身的な脇役ぶりは、「3年A組―今から皆さんは、人質です―」でもいかんなく発揮されている。川栄演じる宇佐美香帆にスポットを当てた第2話で、死んだ親友の純粋な思いを知った川栄は、顔をくしゃくしゃにして号泣。床に突っ伏して泣きわめき、大量の涙とともに、鼻水まで垂れ流した。

若い女優なら鼻水姿を晒すのは避けたいところだが、一心不乱に役に入り込む川栄の演技からは、ひしひしと心の底からの悔恨が伝わってきた。川栄の熱演はヒロインの永野芽郁にも伝播して、それまで不仲だった二人が心を通わせるエモーショナルな名シーンとなった。

子どもの頃から引っ込み思案で人前に立つのが嫌だったとたびたび語っている川栄。しかし、自分に確固たる自信がないからこそ、どんな役柄でも全力で挑む原動力になっているのではないか。そして、真摯(しんし)に演技に向き合いながらも、周囲への気遣いを忘れないからこそ、若くして「名バイプレイヤー」の地位をつかんだのではないだろうか。

(文/猪口貴裕)

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