世界初、宇宙でのセルロース酵素合成に成功【東京大学×JAMSS】

DreamNews / 2020年3月16日 15時0分

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2020年3月16日、国立大学法人東京大学大学院農学生命科学研究科生物材料科学専攻(所在地:東京都文京区、以下「東京大学」)の砂川直輝特任助教と五十嵐圭日子准教授の研究チームと、有人宇宙システム株式会社(所在地:東京都千代田区、代表取締役社長:古藤 俊一、以下「JAMSS」)は、宇宙環境下でのセルロース酵素合成に世界で初めて成功したことを発表いたします。

セルロースの合成は、JAMSSが提供する高品質タンパク質結晶生成サービス「Kirara」を利用し、国際宇宙ステーション(International Space Station、以下ISS)内で行いました。五十嵐准教授らが提供する酵素試料(参考文献)をJAMSSが独自に開発した小型恒温槽に搭載し、2019年12月6日にISSへ打ち上げたものです。約1ヶ月間宇宙環境に置き、2020年1月8日に地球へ帰還しました。

セルロースは地球上に最も豊富に存在し再生可能な生物資源(バイオマス)ですが、水よりも重い比重のために地上で酵素合成すると重力によって沈澱します。一方、宇宙の微小重力環境下では、物質は重さにより沈澱することなく均一に混ざり、結晶は自然対流の影響を受けることなく成長することが知られています。そこで今回、世界ではじめて宇宙でのセルロース酵素合成を試み、地上とは異なる均一なセルロースを得ることができました。今後、宇宙環境で得られたセルロースの構造解析を進め、その特性を明らかにしていく予定です。地上と異なる構造・性質のセルロースが得られることにより、新たな素材研究の可能性を切り開くものと期待されます。

【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000211744&id=bodyimage1

参考文献
Hiraishi, M., Igarashi, K., Kimura, S., Wada, M., Kitaoka, M., and Samejima, M., Synthesis of highly ordered cellulose II in vitro using cellodextrin phosphorylase, Carbohydr. Res. 344:2468-2473 (2009)

■ 宇宙工場モデル「Kirara」とは
JAMSSが提供する創薬支援を目的とした高品質タンパク質結晶生成サービスです。1994年創業以来地上のみならず宇宙でのタンパク質結晶生成支援を行なってきたコンフォーカルサイエンス社との技術提携により実現しました。結晶を生成する小型恒温槽は、欧州宇宙機関(ESA)と商業パートナーシップを締結しているSpace Applications Services社がISS内に保有するICE Cubes Facility (ICF)を使用しています。Kiraraは日本と欧州企業が提携した商業サービスです。今回の成果は、「Kirara」のサービスが、創薬支援にとどまらず、素材分野へも適用できる可能性を広げていただけました。



配信元企業:有人宇宙システム株式会社
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