【矢野経済研究所プレスリリース】ポイントサービス市場に関する調査を実施(2020年)~2019年度の国内ポイントサービス市場規模は2兆69億円まで拡大、複数の共通ポイントを導入する事業者が増加~
DreamNews / 2020年8月5日 13時0分

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内ポイントサービス市場を調査し、現況、参入企業の動向、および将来展望を明らかにいたしました。
1.市場概況
2019年度の国内ポイントサービス市場規模(ポイント発行額ベース)は、前年度比106.0%の2兆69億円まで拡大した。複数の共通ポイントを導入する事業者数の増加や、キャッシュレス・消費者還元事業などを背景としたキャッシュレス決済に紐づいたポイント付与などを通じて、ポイント発行額は拡大している。
2020年度は、新型コロナウイルスの影響で消費が落ち込む見込みで、ポイント発行額が大きく減少する業種も出てくる一方で、マイナポイント事業がその減少分を一部補填する見通しである。2020年度の国内ポイントサービス市場規模は前年度比103.2%の2兆720億円、2021年度の同市場は同100.8%とほぼ横ばいに推移すると予測する。
2.注目トピック~コンビニ業界でのマルチポイント化の状況
小売業者などで、複数の共通ポイントサービスを導入する事業者が増加している。その中でも、コンビニエンスストアでの動向が注目されている。
これまでTポイントを軸にポイントサービスを提供してきたファミリーマートが2019年11月からdポイントと楽天ポイントを導入したことにより、消費者の行動がどのように変化するか、つまり、ファミリーマートで今までTカードを提示していたユーザが、楽天ポイントとdポイントの蓄積にどの程度シフトするか、ということが共通ポイント市場の争点の一つとなると考える。
ローソンやファミリーマートのように、その他のコンビニエンスストアも複数の共通ポイントを導入すれば、消費者は購買時の共通ポイント付与を当たり前と捉えるようになるであろう。そのため、ハウスポイントを発行しているコンビニエンスストアにおいても、共通ポイントの導入及びマルチポイント化(1社で数種類のポイントを発行)が進む可能性がある。
3.将来展望
2024年度に国内ポイントサービス市場規模(ポイント発行額ベース)は2兆4,193億円に至ると予測する。今後も複数の共通ポイントを導入する事業者が増加し、ポイント発行額は拡大していくとみる。新型コロナウイルスの影響でポイント発行額が減少した業種においても徐々に消費が回復することで、このような業種におけるポイント発行額は増加に転じる見込みである。
ハウスポイントを発行する企業は、ポイント付与による販促や、ID-POSを用いた顧客分析から個客マーケティングの実施に結びつける取組みを引き続き進めていくだろう。
一方で、共通ポイントを導入する企業においては、1社で複数の共通ポイントを発行するケースが益々増えていくであろう。多くの加盟店で共通ポイントを使用できるようになれば、会員にとっては、購買時の共通ポイントの付与が当たり前となるので、共通ポイントサービス事業者には他社との差別化を図るために、会員の利便性を向上する取組みや、加盟店に対してはポイント発行費用に対する販促効果やデータ分析を通じたマーケティング施策の送客効果の向上などが求められるであろう。
また、株式会社ロイヤリティ マーケティングとKDDI株式会社が資本業務提携した結果、4つの共通ポイントサービスが携帯キャリアと紐づけられた。今後共通ポイントサービス市場は、携帯キャリアにおける会員獲得競争の結果によって、利用される共通ポイントが変化していく可能性が高いと考える。
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/2488
調査要綱
1.調査期間: 2020年4月~7月
2.調査対象: 共通ポイントサービス提供事業者、マイレージサービス提供事業者、ポイントサイト運営事業者、ポイント関連ソリューションベンダ等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面接取材、電話・e-mailによるヒアリング、ならびに文献調査併用
4.発刊日:2020年07月30日
お問い合わせ
⇒プレスリリースの内容や引用についてのお問い合わせは下記までお願いいたします。
株式会社矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム
https://www.yano.co.jp/contact/contact.php/press
株式会社矢野経済研究所
https://www.yano.co.jp/
【画像
https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000220175&id=bodyimage1】
配信元企業:株式会社矢野経済研究所
プレスリリース詳細へ
ドリームニューストップへ
この記事に関連するニュース
-
拡大するポイントサービス市場 消費者の利用実態は?
ITmedia ビジネスオンライン / 2021年1月27日 17時0分
-
【矢野経済研究所プレスリリース】トイレタリー市場に関する調査を実施(2020年)~2020年度のトイレタリー市場規模は、前年度比5.5%増の2兆974億3,000万円の見込~
DreamNews / 2021年1月13日 13時0分
-
【矢野経済研究所プレスリリース】エステティックサロン市場に関する調査を実施(2020年) 2020年度のエステティックサロン市場規模は前年度比5.3%減の3,436億円の見込
DreamNews / 2021年1月12日 14時0分
-
【矢野経済研究所プレスリリース】IoT/M2M市場に関する調査を実施(2020年) 2019年度の国内M2M市場は前年度比4.5%増の2,100億円
DreamNews / 2021年1月7日 13時0分
-
【矢野経済研究所 ワッツセミナーVol.87】1月26日(火)オンラインライブ配信 「ポイントサービス市場動向 ~マルチポイント化が進む中、携帯キャリアの競争が共通ポイント市場に影響~」
DreamNews / 2021年1月5日 9時30分
ランキング
-
1存在感を発揮する「本当に強い女子大」の共通点 安田女子大、武庫川女子大、昭和女子大の戦略
東洋経済オンライン / 2021年1月27日 8時30分
-
2変わる企業 不要不急の会議、上司への忖度、広い職場も過去のものに
NEWSポストセブン / 2021年1月27日 7時5分
-
3FX、暗号通貨、不動産…初心者がこうした投資商品に手を出すべきではない理由
プレジデントオンライン / 2021年1月27日 9時15分
-
4節分に鉄分補給、「鬼」と「豆」が付く駅名10選 「鬼滅の刃」大ヒットで例年以上に注目集まるか
東洋経済オンライン / 2021年1月27日 7時30分
-
5「1000人以上の不正受給を幇助」給付金コールセンターが把握する悪徳税理士の手口
プレジデントオンライン / 2021年1月27日 9時15分