柄本明が演出、佑&時生による不条理劇の稽古場映す「柄本家のゴドー」が公開

映画.com / 2019年4月21日 14時30分

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山崎裕監督、柄本佑、柄本時生(左から)

 [映画.com ニュース]俳優の柄本佑と柄本時生の兄弟が、父の柄本明を演出に迎えた舞台の稽古場に密着したドキュメンタリー「柄本家のゴドー」が4月20日、渋谷・ユーロスペースで公開し、柄本兄弟と山崎裕監督がトークを行った。

 「ET×2」という演劇ユニットを組んでいる柄本兄弟は、2014年にサミュエル・ベケットによる不条理劇の傑作「ゴドーを待ちながら」を上演し、父、柄本明が17年版の演出を担当。数々のドキュメンタリーや是枝裕和監督作品などで撮影を手がけてきた山崎裕が、演出家と俳優の関係を超えた父から子への芸の伝承や、厳しさと温かさにあふれた時間を記録した。

 「ふたりでET×2を一生やっていくという考えの上で、いつか『ゴドー』をやりたいと思っていた。難しいと言われるけれど、笑える面白さがある」(佑)、「ふたり芝居と言えば、漠然と『ゴドー』なんじゃないかなと思っていた。暇つぶしの会話をしてるだけなのに面白い」(時生)と、作品への思い入れを語る。

 柄本明が、これまでのふたりの公演作品に比べ、『ゴドー』の稽古場を見に来る回数が多かったそうで、「親父(演出)やりたいんじゃないのかな?と思った」(佑)、「次は(ゴドーを)いつやる?って言ってた」(時生)と、父の興味と熱意を強く感じたことから、今回の親子でのコラボレーションが実現したそう。

 同作は柄本明も石橋蓮司とともに00年に上演しており、当時の経験から得たインスピレーションを基に、息子ふたりにこだわりぬいた指導をする姿が映し出される。佑は「壁にチョークで1本だけ木を描くと美術プランは、世田谷の時(00年の公演)から考えていたのかな。あれが親父の大発明だったんだろう」と話す。

 山崎監督も「柄本(明)さんも、そこ(1本の木の描写)から始めたいと言っていました。(ふたりの)稽古場は覗きに行かなければ、どういう形になるかはわからないけれど、カメラを持って行かなくてはと思った」と柄本に依頼し、快諾されたことが本作製作のきっかけだと明かした。佑は「二つ返事ですごく喜んでいた。親子対決というより、俺の稽古場っていうのを残せるのがうれしかったんだろうな」とコメント。そして、父の厳しい指導を「映像で撮ったものを見るのは新鮮でした」と述べ、山崎監督は「柄本明百面相という気分で撮影していた」と振り返った。

 また、山崎監督がふたりに、父、柄本明を「俳優としてどう意識している?」と問いかけると、「ドラマの死ぬ間際のシーンで、二重の目をわざと一重にして話をしていて、この人変な人だと思った。相手も困りますよね」(時生)、「何がしたいんだろうね」(佑)と父の怪演の一例を笑いを交えて挙げ、会場を沸かせていた。

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