「カオスがクリエイティビティにつながる」シンガポール、インドネシア、フィリピンの巨匠が語る、アジア映画の未来

映画.com / 2019年7月4日 16時30分

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エリック・クー監督、ブリランテ・ メンドーサ監督、ガリン・ヌグロホ監督(左から)

 [映画.com ニュース] 国際交流基金アジアセンターによる、日本と東南アジアの文化交流事業を紹介する祭典「響きあうアジア2019」の一企画の特集上映「東南アジア映画の巨匠たち」が開催中だ。7月3日、東京・池袋の東京芸術劇場で「映画分野における日本と東南アジアの国際展開を考える」と題したシンポジウムが行われた。第2部「映画制作におけるコラボレーションの未来図」で、シンガポールのエリック・クー監督、インドネシアのガリン・ヌグロホ監督、フィリピンのブリランテ・メンドーサ監督が登壇した。

 漫画家・辰巳ヨシヒロの半生を映画化した長編アニメ「TATSUMI マンガに革命を起こした男」や、斎藤工主演のシンガポール・日本・フランス合作映画「家族のレシピ」など、日本との関係も深いクー監督。現在ケーブルテレビ局・HBOアジアで、幽霊をテーマにしたホラーオムニバス「フォークロア」と、食をテーマした第2弾「FOODLORE」のプロデューサーを務め、それぞれ1話ずつ斎藤工が監督していると紹介した。

 「『フォークロア』は、アジア各地で幽霊の存在を信じる民話があり、それが非常に興味深いと思いはじまった企画です。HBOのシリーズでは、すべてのエピソードをそれぞれの母国語を使い、文化的、精神的に違うものを作りたいと主張しました。アジアはいろんな流儀の映画製作ができるのが興味深いところ。『FOODLORE』という食のシリーズの7話目は、斎藤さんが高崎で監督しています。今後もいろんなシリーズを手掛け、動画配信でも新たな表現方法を届けていきたい」と、アジアの多様性を盛り込んだ作品への意欲を見せる。

 また、シンガポール人と日本人のクルーと仕事をした際を振り返り、「私のやり方では時に即興性もあります。我々は撮るのが早くて、3テイクしか取りません。斎藤さんはドキュメンタリーのようだと言いました。日本のクルーも非常に優秀です。しかし、少しコントロールされたやり方だと感じることもありました。インドネシアのクルーと仕事をする機会がありましたが、こちらはダイナミックです。アジア中から様々なスタッフが集まるのは互いに良いこと」とそれぞれの国のやり方の違いに敬意を払う。

 メンドーサ監督は、東京国際映画祭と国際交流基金アジアセンターとの共同プロジェクトとして製作されたオムニバス「アジア三面鏡2016 リフレクションズ」で、「SHINIUMA Dead Horse」を担当した。同作は北海道を舞台にした、フィリピン人不法労働者の物語だ。

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