第44回湯布院映画祭、「百円の恋」の佐藤現プロデューサー特集で開幕

映画.com / 2019年8月24日 15時55分

写真

「詐欺師か!」と叫んだ過去も

 [映画.com ニュース] 第44回湯布院映画祭が8月23日、大分・由布市の湯布院公民館で開幕し、佐藤現プロデューサー特集として「僕たちは世界を変えることができない。」「犬猿」「百円の恋」が上映された。シンポジウムでは、佐藤プロデューサー、「犬猿」の吉田恵輔監督、「百円の恋」の主演・安藤サクラ、武正晴監督、脚本の足立紳が登壇した。

 佐藤プロデューサーは東映ビデオに入社後、「ノン子36歳(家事手伝い)」(熊切和嘉監督)、「ばしゃ馬さんとビッグマウス」(吉田監督)、「14の夜」(足立監督)などをプロデュースし、作家の顔の見える作品やオリジナルにこだわって映画製作してきた。「作品の1本1本の成り立ちは違う。プロデューサーには脚本、監督と本を作り、キャスティングを進め、製作費を回収するミッションがある。例えば、『僕たちは世界を変えることができない。』はアマゾンで(カンボジアに小学校を建てた)大学生の体験記を見つけて、感銘を受けて、やりたいと思った。深作健太監督に声をかけたのが出発点。主演の向井理さんをはじめ、ドリームチームが集まり、企画が進んだ」と話した。

 「百円の恋」は、ひきこもりの32歳のフリーターが百円ショップでのパート勤務をきっかけに、ボクシングに目覚めていくストーリー。足立氏による脚本が周南「絆」映画祭で第1回松田優作賞グランプリを受賞。現在、Netflixのオリジナルドラマ「全裸監督」の総監督を務めるなど一線で活躍する武監督は「佐藤さんに拾ってもらった。当時、僕と脚本の足立さんは無一文。喫茶店で、生きていくためにどうすればいいのか、2人で生きる道を探っていた。今、生きているのは佐藤さんのおかげ」と感謝した。

 第27回東京国際映画祭・日本映画スプラッシュ部門作品賞をはじめ、多数の賞を受賞し、商業的にも成功を収めたが、佐藤プロデューサーは「(当初は)みんなで作ろうというふうにはなっていなかった。商業的なところでプランニングした作品ではなかった。評価も結果も素晴らしいものになりましたけども、これが成功例と思えるほど、予算とやっていることが合っていなかった」と振り返った。

 ボクシングのトレーナーについて肉体改造して役に臨み、日本アカデミー賞、ブルーリボン賞などで主演女優賞を受賞した安藤も「いろいろなことがありました。(準備には)もっと時間があると思っていたら、そんな時間はなかった。現さんに『詐欺師か!』と叫んだこともあります。プロデューサーの中には、現場に寄り添ってくれる方と寄り添ってくれない方がいますが、現さんは深いところまで寄り添ってくれる方です。その声と笑顔にだまされているのか、クソーと思いながらも……」と笑顔で明かした。

 第44回湯布院映画祭は25日まで開催される。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング