日本製のAI搭載アンドロイド「ERICA」、ハリウッド大作に史上初の主演

映画.com / 2020年6月29日 19時0分

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主演するERICAと開発者の石黒浩氏 写真:つのだよしお/アフロ

 [映画.com ニュース] ハリウッドがコロナ禍での撮影再開に向けた安全対策への取り組みに奔走するなか、ウイルスに感染することのない日本生まれのアンドロイド「ERICA(エリカ)」が、新作SF映画「b(原題)」で主演を務めることがわかった。同作は、AI(人工知能)を搭載したアンドロイドが主演を務める史上初の映画となる。米ハリウッド・レポーターが報じている。

 VFXスーパーバイザーのエリック・ファム、タレク・ゾーディ、サム・コーゼ原案による本作は、完璧なヒトゲノムを生成するためのプログラムが恐ろしい危険をはらんでいると知った科学者が、自らの手で作り上げたアンドロイドのエリカを迫り来る脅威から守るべく、ともに脱出を試みるというストーリーだ。

 主役に大抜てきされたエリカは、世界的に高名なロボット研究の第一人者で、大阪大学大学院基礎工学科教授の石黒浩氏と、同氏率いる自律型ロボット研究チームの一員であり、知能ロボティックス研究者の小川浩平氏が共同で開発した対話型アンドロイド。石黒氏らは、音声認識を用いて人間と自然に対話することができるエリカを作り上げる過程で、すでにメソッド演技法をベースにした“演技機能”をAIに盛り込んでいたのだという。

 ファム、ゾーディとともにプロデューサーを兼任する原案のコーゼは、「生身の俳優が演技をする際には、自身の人生経験を取り入れて、それを演じる役柄に反映させるというやり方が一般的ですが、エリカには人生経験といったものがありません」と説明。そのうえで「彼女は役を演じるために、ゼロから創られたユニークな存在です。マンツーマン指導を通して、ボディランゲージやニュアンスを込めた話し方による感情表現、動作のスピード調整といった、役作りのためのシミュレーションを徹底して行う必要がありました」と、前例のないチャレンジに際した苦労を語った。

 エリカは当初、トニー・ケイ監督(「アメリカン・ヒストリーX」)の新作に主要キャラクターとして起用される予定だったが、ケイ監督のスケジュールの都合で企画が頓挫したことから、映画デビューのチャンスを逃していた。

 「心のカルテ」「ゴッホ 最期の手紙」などの秀作に資金提供を行ってきたボンディット・キャピタル・メディア、ベルギーの製作会社ハッピー・ムーン・プロダクションズ、米ニューヨークに拠点を置くテンテン・グローバル・メディアの3社共同出資による同作の予算は推定7000万ドル(約75億円)で、エリカ出演シーンは2019年に日本で撮影済み。残りの撮影は、21年6月からヨーロッパで行われる予定。監督やエリカ以外のキャストについては、現時点でまだ明らかになっていない。

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