【前編】どんな作品をプロデュースした? 制作会社を立ち上げた女優たちの活躍

映画.com / 2020年10月17日 11時30分

写真

「わたしに会うまでの1600キロ」 (C)2014 Twentieth Century Fox

 ハーベイ・ワインスタインの性的暴行とセクハラ、ハリウッドでの性差別――“#Metoo”ムーブメントは、長い間沈黙を守り、孤独に苦しみ続けてきた女優たちに勇気を与え、大物の加害者たちを守ろうとする支配階級を、徐々に打破していった。現在、女性のプロデューサーや監督、キャストが中心となった“女性の物語”の製作が加速している。

 “#Metoo”ムーブメント以前から、男性中心のハリウッドにおいて、その環境を変えてきた女優たちがいる。彼女たちは自ら制作会社を設立し、数多くの良作を世に放ってきた。前後編に分けて、8人を紹介しよう。(文/細木信宏 Nobuhiro Hosoki)

▼シャーリーズ・セロン(制作会社:デンバー&デライラ・プロダクションズ)

 南アフリカ共和国出身のセロンは、15歳の頃、衝撃的な事件を経験している。それはアルコール依存症で暴力的だった父親を、母親がセロンを守るために射殺したというもの。母は正当防衛が認められ、その体験がセロンの“その後の生き方”に反映されていく。パリ、ミラノでのモデル活動を経て、バレエダンサーを目指してニューヨークへ移住するが、怪我でその夢を断念。女優を目指してロサンゼルスに移った際、スカウトされ「トゥー・デイズ」(1996)で映画デビューを果たす。「ハンコック」(08)、「スノー・ホワイト」(12)、「プロメテウス」(12)、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(15)といった大作、「スタンドアップ」(05)、「告発のとき」(07)、「ヤング≒アダルト」(11)、「スキャンダル」(19)といった秀作に出演し、ハリウッドを代表する女優となった。

 セロンが「大きなスタジオが見落としがちなストーリーを製作する」という思いを抱き、デンバー&デライラ・プロダクションズを立ち上げたのは、03年のこと。このプロダクションを通じて、自らにアカデミー賞主演女優賞をもたらした「モンスター(2003)」(03)、40代を超えてド派手なアクションに挑んだ「アトミック・ブロンド」(17)、テレビ界の帝王として君臨していたCEOのロジャー・エイルズのセクハラ事件を扱った「スキャンダル」など、いずれも他スタジオが躊躇した題材を映像化。それらに自ら主演し、製作としてサポートする――これこそが、彼女がハリウッドのトップにいる理由ではないだろうか。現在のセロンは、8歳と5歳の養子を育てながら、南アフリカでの奨学金プログラムの援助も行っている。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング