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アルノー・デプレシャンインタビュー、衝突する姉弟描く「私の大嫌いな弟へ」脚本執筆時「『ラヴ・ストリームス』を3回見た」

映画.com / 2023年9月15日 16時0分

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(C)2022 Why Not Productions - Arte France Cinema

 フランスの名匠アルノー・デプレシャンの最新作で、マリオン・コティヤールとメルビル・プポーが共演した「私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスター」が公開された。デプレシャン監督の独占インタビューを映画.comが入手した。

 第75回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門出品作で、ある時から憎み合うようにってしまった姉と弟の物語。姉アリスは有名な舞台女優で、弟ルイは詩人。アリスは演出家の夫との間にひとり息子がいて、ルイは人里離れた山中で妻と暮らしている。何が理由だったかはもはや分からないが、ふたりはずっと憎みあい、顔も合わせていない。そんなふたりが、両親の事故で再会する――。

――新作の主人公は、仲が悪いというか、驚くほどに憎み合っている姉アリスと弟ルイです。でも何が原因で憎み合っているのかは、映画のあちこちに手がかりはあるけれど、はっきりとはわかりませんね。

 (弟のルイと結婚する女性)フォニアがレストランでルイに、彼女を憎んでいる理由を尋ねるシーンがあります。ルイは「答えづらいな」と言います。なぜ人は人を憎むのか。満足のいく答えなんて存在しないからです。姉のアリスは憎しみに囚われている。父親は彼女に「お前は憎しみに囚われている、そこから抜け出さなくてはいけない」と言う。アリスはどうして自分がこんなに強い憎しみを抱いているのか、分からなくなっているのです。もちろん、映画は観客にそのヒントを与えてはいますが。

――2008年の「クリスマス・ストーリー」に続いて、姉が弟を憎む話ですね。

 「クリスマス・ストーリー」では、姉役のアンヌ・コンシニは弟役のマチュー・アマルリックへの怒りを持ったままで終わっていました。僕は、彼女を一人、監獄に入れたままで終わらせてしまったと感じていたのです。だから、今回は姉のアリスを解放する映画を作ろうと思ったんです。アリスを憎しみから解放するために、彼女を自由にするために。

――衝突する姉と弟ということでジョン・カサベテス監督の「ラヴ・ストリームス」を思い出し、女優であるアリスと彼女のファンの若い女性のエピソードでは同じくカサベテス監督の「オープニング・ナイト」を思い出しました。これは偶然でしょうか?

 実は、僕と共同脚本のジュリー・ペールは、脚本を書いている時に「ラヴ・ストリームス」を3回見ました。好きな映画というのは、その時々で変わるものだけど、「ラヴ・ストリームス」は今カサベテスの映画の中で一番好きな映画ですね。アリスと、彼女のファンであるルチアの関係は、確かに「オープニング・ナイト」をイメージしていました。「オープニング・ナイト」ではジョーナ・ローランズ演じる女優に向かって“アイ・ラブ・ユー”を繰り返す少女。カサベテスの映画では少女はその後車に轢かれて死んでしまうけど、僕は今回、少女の命を救たかった。ルチアには生きて、アリスの友人になって欲しいと思ったんです。

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