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横浜流星×吉岡里帆×山田杏奈×森本慎太郎、それぞれの「信頼」と「疑念」

映画.com / 2024年11月29日 20時0分

 吉岡「本当に、私もそう思う。疑って、それを払拭して、その先って…。私が演じた沙耶香って、鏑木に対してあそこまで出来るって、相当思い入れがないと出来ないこと。相手をちゃんと大事に思ないと出来ないことだから、すごいと思う」

 横浜「自分も、決意しなければそうはならないです。見たいものを見ようともしない自分もいるから、その決意を固めないと」

 森本「僕も基本的には、人に対してちゃんと向き合おうと思うタイプです。ただ、根本は疑っているのかもしれませんね。この先に、そういう感情がなくなったときに一歩進めた感じがします」

 吉岡「これは男女の違いなのかもしれませんね」

 今作は、藤井監督が撮影現場で「これまでで最もエンタメ色の強い作品にする」と話していた通りの作品に仕上がっている。その中心で座長として牽引した横浜を、3人はどのように見ていたのだろうか。また横浜は、実力派の3人と様々な局面で対峙して得たものは、どのようなものだったのだろうか。

 横浜「僕は皆さんから、全て与えてもらっていた側なんです。委ねていたというか、皆さんにリードしてもらった感覚です。和也は森本さんじゃなきゃいけなかったし、沙耶香は吉岡さんじゃなきゃダメだったし、舞は山田さんでなければ成立しなかった。この3人だからこそ、鏑木はああやって生きられた。違う方々だったら、ああいう風にはなっていなかっただろうし、だから皆さんに感謝の気持ちでいっぱいですよ」

 吉岡「人生でなかなか経験できない役でした。楽しんでもらうだけでなく、心の中に残るものがあり、観た人に問いかける内容になっていて、エンタメだけどすごくセンシティブに撮る藤井監督のやり方は何も変わっていない。その真ん中で体現しているのが流星くん。鏑木が見てきた世界が良いものだったから、最後の落としどころへと繋がっていく。ただ変装しながら逃亡し、自分の無実を証明するためだけに生きてきた人であれば、関わってきた人たちもこうはなっていないと思う。そういう人間であるということ。それって、何カ月かの撮影期間だけで表現できるものではない。これまで生きてきたなかで、物事に真剣に向き合ってきた人の真実味があればこそ。その凄まじさと、これまで積み重ねてきたものの厚みを私は現場で感じました」

 山田「横浜さんと藤井監督の信頼関係が凄いですよね。藤井監督が横浜さんのことを信頼しているのと同様に、愛を持ちながら追いかけていっている感じもしました。それは、横浜さんがひとつひとつのことに真摯に向き合われてきたからなんでしょうね。わたしは、それを近くで見させてもらっただけで良い経験をさせてもらいました」

 森本「流星くんは皆に引っ張ってもらったって言っていますが、僕は流星くんに引っ張ってもらった感覚の方が強いので、逆にありがとうございますという心境です。じゃないと、和也はあの感じになっていなかったでしょうし。藤井監督と流星くんの信頼関係はもちろんですが、現場での居方も含めて引っ張ってもらった感覚が強いです」

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