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ハンフリー・ボガートとは何者だったのか? ドキュメンタリー映画の監督が秘話を明かす【NY発コラム】

映画.com / 2024年12月14日 19時0分

ハンフリー・ボガートとは何者だったのか? ドキュメンタリー映画の監督が秘話を明かす【NY発コラム】

イングリッド・バーグマン(右)

 ニューヨークで注目されている映画とは? 現地在住のライター・細木信宏が、スタッフやキャストのインタビュー、イベント取材を通じて、日本未公開作品や良質な独立系映画を紹介していきます。

「マルタの鷹」「カサブランカ」「三つ数えろ」など数々の名作に出演してきたハンフリー・ボガート。ダンディで渋い演技を披露してきた名優についてのドキュメンタリー映画が「Bogart : Life Comes in Flashes」だ。

 同作は、ボガートが関わった映画や舞台、彼が結婚した4人の女性(女優ローレン・バーコルを含む)や母との関係を中心にとらえつつ、世間には知られていない“素顔”を紐解いていく作品。今回、メガホンをとったキャスリン・ファーガソン監督へ単独インタビューを行った。

 ファーガソン監督の前作は、歌手シネイド・オコナーを描いた「Nothing Compares」。この作品も素晴らしい仕上がりだった。では、なぜボガートを題材にしたプロジェクトに着手することになったのだろうか。

「『Nothing Compares』が完成した頃、ユニバーサルからこの企画について打診がありました。当初、ボガートのことは多少知っていましたが、決して何年もかけて研究してきた人物ではありませんでした。ただ、ハリウッドの黄金時代、神話や伝説のような古いハリウッドの奇妙さに、私はいつも夢中になっていました。ですから、彼らが私にこの話を持ちかけてきたとき、とても興味深いなと思ったんです」

 ファーガソン監督が対峙することになったのは、20世紀における“男らしさの象徴”。どうやって映画を撮れば良いのか迷ったそうだ。

 「これまでの自作のほとんどが女性についてのものであることを考えると、かなり飛躍した挑戦のように感じました。そこで、私と共同脚本家のエレノア・エンプテージは、この課題にしっかりと向き合い、現代的なレンズを通して『私たちが興味を持ち、観たいと思うような映画を作るにはどうしたらいいのか?』と考え始めました」

 ファーガソン監督は、可能な限りのリサーチを試み、そこである視点に辿り着く。

「すぐに明らかになったのは、女性たちとの重要な関係性。彼女たちがどのような人物であったか、そして彼の人生とキャリアの軌跡をどのように形成してきたかということでした。そこから、この映画を作ろうと決めました。ボガートが亡くなってから70年経っていますが、今でも“映画界の巨人”として尊敬を集めているのはなぜなのか? 彼の遺したものが長年にわたって強く残っている理由は何なのか? それを考えることが、すべての出発点でした」

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