ハンフリー・ボガートとは何者だったのか? ドキュメンタリー映画の監督が秘話を明かす【NY発コラム】
映画.com / 2024年12月14日 19時0分
ボガートの母親・モードは有名なイラストレーターで、一家の稼ぎ頭だったが、息子と抱き合ったりハグしたりするタイプではなかった。後に、ボガートが“女性にモテる男”になったのは、母親との関係が大きく関わっていたのではないだろうか。
「非常によく観察されていますね。私たちは心理学者ではないので、それを確認することはできませんが、母親との関係は彼の人生において重要だったと思います。あなたの仰る通り、彼女はとても成功していて、稼ぎ頭でした。彼が生まれた頃には参政権運動を指導し、本来の母親としての方法で彼を育てることができなかったんです。そのため、特に彼の人生の初期の数十年間は、あるパターンがずっと続いていたように思えます。それはキャリアを第一に考える、非常に成功した女性を探し求めるというものです。そして、彼は彼女たちに自分を育ててもらう必要がありましたが、彼女たちにはそれができませんでした。だから結婚生活は破綻していったんです。彼は自分のことをちゃんと気にかけてくれて、自分の面倒を見てくれる人を求めていた。それなのに“成功した女性”にひかれずにはいられないというパターンが続いていました」
特にボガートの3番目の妻で、女優のメイヨ・メソットとの関係が強烈だそう。
「彼女もまた素晴らしい女優であり、その関係が悲劇的なのは、当時のハリウッドのシステムによる男女の扱われ方に大きく関係しているからなんです。30年代、彼女はフィルム・ノワールを代表するスターの一人であり、彼は出世街道を歩んでいました。ある意味、2人はエスカレーターで顔を合わせたようなもの。メイヨのエスカレーターは年齢や仕事面でも下っていて、ボガートのエスカレーターは上り続けていました。メイヨにとって、ボガートと出会って恋に落ち、仕事面でも対等な立場になってしまったのは、とても打ちのめされることだったに違いありません」
それには、ある理由があるそうだ。
「制度やヘイズ・コード(プロダクション・コード:米国で一般観客向けに製作される映画について、容認できる内容と容認できない内容を規定したもの)のせいで、ハリウッドにモラル・コードが導入されました。検閲や管理が行われるようになったため、メイヨが演じてきたような役はすべてキャンセルされるようになったんです。彼女のキャリアは基本的に終わりを告げられ、パートナー(ボガート)がスーパースターになるのを見るのは、かなり辛いことだったのではないでしょうか」
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