『ザ・ノンフィクション』神回・アイドルレスラー中野たむが武道館で“女の命”をかける理由

エンタメNEXT / 2021年2月26日 7時1分

中野たむ 写真提供/スターダム

スターダムのレスラー・中野たむが、3月3日に日本武道館で開催される『レック Presentsスターダム10周年記念 ひな祭り ALLSTAR DREAM CINDERELLA』のメインイベント、白いベルトことワンダー・オブ・スターダム王座と互いの髪をかけて闘う「髪切りデスマッチ」に挑戦する。元々は“肩もみ”アイドルとして『ザ・ノンフィクション』にも取り上げられた中野たむが、レスラーとなり武道館の主役となる。アイドルからレスラーへの道へと進んだ彼女に、日本武道館でのタイトルマッチにこだわる理由を聞いた。(前後編の後編)

【写真】アイドルレスラー中野たむのキュートなコスチューム姿&私服カット【10点】

「プロレスをまったく知らないままリングに上がってしまった」というアイドルレスラー・中野たむ。

いつしか会場物販などで接するファンから『たむちゃん、いつか絶対にシングルのベルトを獲ろうね!』と声をかけられることが増えた、という。普通、プロレスラーになろうと考える人はチャンピオンベルトを大きな目標として掲げるものだが、プロレスを知らなかった彼女には、そういう価値観がなかった。それでも、たくさんのファンから「ベルト」という言葉をかけられるうちに、それがファンと一緒に目指すべきものだ、ということに気づく。

「アイドルもそうだったんですけど、プロレスラーもファンの方が夢を託してくれる存在なんですよね。最初はベルトの価値とかもよくわかっていなかったんですけど、ファンのみなさんの夢を叶えて、声援に応えるにはベルトを巻くことが大事なんだなって。
 
私、アイドルのときにいろんなことをあきらめてきたんですけど、ある日、気がついたんですよ。それって自分が夢をあきらめているだけじゃなくて、私を応援してくれているファンのみなさんの夢もあきらめさせているんだって。だから、プロレスラーになってからは夢をあきらめなくなりました」
 
ファンとの約束を守るために、過酷なルールに挑む。

ファンから預かった夢を、自分の手で壊すことなどできない。


 
アイドルとして夢を叶えることができなかったからこそ、プロレスラーとして、今度こそ、ファンと一緒に笑顔で夢に到達したい。
 
だからこそ、中野たむは日本武道館でのタイトルマッチにこだわった。

ターゲットはジュリアが保持する「白いベルト」ことワンダー・オブ・スターダム王座。ジュリアは昨年の女子プロレス大賞受賞者で、まさにスターダムの中心人物。しかも、昨年、中野たむに連勝しているので、ここで再挑戦を受けても彼女にはなんの得もない。
 
そこで浮上したのが「髪切りデスマッチ」という特殊ルールでの激突。そもそもはリング上での「私はプロレスに命を懸けているんだ!」という口論がきっかけで、ならば「女の命」である髪の毛を賭けよう、ということになった。
 
過去におこなわれてきた髪切りデスマッチは血で血を洗う抗争に決着をつけるための最終手段として敢行されるケースが多かったので、今回のルール決定にも『なんで令和の時代に昭和チックなことをやるのか?』という批判の声もあがったが、今回は昔の髪切りとはプロセスもニュアンスもまるで違うのだ。

ジュリアは自分の価値、ベルトの価値を守るために、あえて自分の髪の毛を賭けた。じつにプロフェッショナルな決断だ。圧倒的なビジュアルで同性からも憧れられる存在でもあるジュリアにとっても、ここで丸坊主にされたらダメージはあまりにも大きい。負けたらベルトまで失うわけで、じつはリスクは中野たむよりも大きい。

そして、中野たむはファンとの夢を叶えるために、その条件を呑んだ。



「たしかに負けたら失うものは大きいです。丸坊主にされたら、私のアイデンティティである『宇宙一カワイイアイドルレスラー』でいられなくなるかもしれないし、ひょっとしたらずっと応援してくださったファンのみなさんも、そんな私の姿に幻滅してしちゃうかもしれない。でも、このまま、なにもしなかったら、もっと大きなものを失うんじゃないかって思うんです。だから、そんな条件であっても、私には断るという選択肢はなかったです。
 
それに昨年、負け続けたことでジュリアから白いベルトを獲りたい、という気持ちが強くなってきた。だから、どうしても今、挑戦したかった。正直、怖いです。闘う前に負けることを考える人はいないってよく言いますけど、私の場合、きっと考えたら負けちゃうから……その後のことは考えていません! ただ、もし負けちゃったら、いまのコスチュームは似合わなくなっちゃいますね(苦笑)」
 
髪切りデスマッチが決まる前から、3月7日に後楽園ホール大会は決定しているので、どんな状況になろうともリングには立ち続けなくてはいけない。ベルトを巻いて登場するのか、それとも似合わないコスチュームで丸坊主姿を晒すのか……すべての運命は武道館で決まる。
 
舞台となる日本武道館はアイドルの世界では「聖地」であって、誰もが憧れるステージであり、中野たむがアイドル時代に「あきらめてきた」夢のひとつである。

現在、彼女が入場テーマ曲として使用している『Twilight Dream」は自身が作詞をし、歌唱も担当している。つまり、入場シーンは彼女にとって「武道館ワンマンライブ」となる。地下アイドル時代からずっと応援しつづけてきたファンにとっては涙なしでは見られない光景となるだろう。

「みんながプロレスを見るようになれば、本当に『やさしい世界』になるのになって、私は思うんですよ。夢を託して、それが叶う瞬間も一緒に体感できるし、もし負けても、それですべてが終わるわけじゃないですか? とにかく私は見ている人たちの夢を枯らさないように武道館ではすべてを出し切ります!」
 
地下アイドル時代、地獄のような日々を送ってきた中野たむが、プロレスラーとして日本武道館のメインイベントに立つ。それだけでもう、ファンの大きな夢は叶えられるのだが、日本全国の会場でたくさんのファンと交わした約束を守るために、彼女はさらなる夢を目指して「女の命」を賭けるーー。

【前半はこちら】“『ザ・ノンフィクション』神回”スターダム・中野たむが明かした地獄のアイドル時代

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