吉川晃司、シンバル・キックも炸裂! 新譜『WILD LIPS』を引っ提げたホールツアーがスタート
Entame Plex / 2016年6月12日 20時52分
吉川晃司、シンバル・キックも炸裂! 新譜『WILD LIPS』を引っ提げたホールツアーがスタート
吉川晃司が11日、神奈川・厚木市文化会館で全国15箇所におよぶホールツアー「KIKKAWA KOJI Live 2016 “WILD LIPS” TOUR」をスタートさせた。
前回は、ツアー序盤に映画の撮影準備でバイク・アクションを練習中に左足を負傷し、“骨折ツアー”となったのだが、入念なリハビリと日々の鍛錬を継続して迎えたこの初日公演では歌も演奏もパフォーマンスも全開のステージを展開。5月18日発売の最新アルバム『WILD LIPS』の収録曲が初披露された。
タイトル曲「Wild Lips」では大人の色気とワイルドなパワーとが共存するダイナミックな歌と演奏に観客が熱狂。タフさとラフさを兼ね備えたグルーヴに客席が揺れたのは「サラマンドラ」。最新作の充実ぶりはライブにも反映されている。最新曲に加えて、代表曲や人気曲を網羅したベストアルバム的な構成となっていたのだが、ベストにしてニューエスト(最新)でもあった。お馴染みの曲でも初めて聴くようなスリルと衝撃があったからだ。今回のツアーではバンドのメンバーが大幅に変わり、キーボードのホッピー神山、キーボード&ギターの菅原弘明以外の3人はツアー初参加となっている。新たに加わったのはギターの生形真一、ベースのウエノコウジ、ドラムの湊雅史。「(自分の生き方を貫いて)生き抜いてる系のミュージシャンが集まった。バンド、メッチャかっこいいです」と吉川。確かにこの新バンドの演奏がすさまじい。骨太でソリッドでタイトでダイナミック。「スティングレイ」「BOMBERS」などでの破壊力はおそらく過去の最高記録を更新したのではないだろうか。バラードなのにとてつもないエネルギーが渦巻いていたのは「終わらないSunset」。予定調和のアンサンブルではなくて、メンバーがバンドマンとしての本能を覚醒させて、生命力あふれる演奏を展開している。その音のぶつかりあいこそがバンドサウンドの醍醐味であり、ロックの真髄。ライバルがいるほど燃える熱血漫画の主人公ではないが、吉川のボーカルも実にエモーショナルでエネルギッシュだった。それぞれの曲が見せてくれる景色はまちがいなくどれも2016年の最新のものだ。
昨年話題をさらったドラマ『下町ロケット』の財前役での好演の影響か、新規の観客が増えて年齢層の幅も広がった。「財前さんを観て、初めて来た人は?」との質問に若い観客が手を上げると、「イメージと全然違ってたら、すみませんね。こちらが本来の姿でして」と吉川。その財前や『さらばあぶない刑事』での悪役・ガルシアのスペイン語のセリフを再現すると、歓声が起こった。
そして、代名詞となっているシンバル・キックも炸裂した。演奏同様、キックも日々進化していて、新たな技を加えた改良型の蹴りも飛び出した。左手が攣ったり、後頭部を打撲したりする場面もあり。なぜボーカリストがそんな局面に遭遇してしまうのか。それは実際にステージを目撃したら、納得いただけるだろう。そして“あり得ない!”と笑いながら感動してしまうだろう。初日から観客がともに歌ったり、踊ったりする一体感あふれる熱い空間が出現した。だがもちろんまだこれが完成形ではない。バンドは生き物のように形を変えていくだろう。その集大成となるのがファイナルの8月27・28日の東京体育館公演。「これからもっとレベルの高いところへ一緒に行けたら。東京体育館ではオオッ!というものが出来たらと思ってます」とのMCもあった。アーティストにしてアスリートと呼びたくなる彼には“体育館”という舞台が似合いそうだ。
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