コニカミノルタがデータサイエンスの取り組みで目指す「いい時間設計」

EnterpriseZine / 2019年7月4日 6時0分

 2019年6月に開催された「SAS FORUM 2019」、そのユーザー事例セッションの1つでは「実践・データサイエンスの展開方法と最適化における生産性向上の事例紹介」と題し、働き方改革に向けた取り組みの中でコニカミノルタジャパンでデータサイエンスをどのように取り込んだかが解説された。

■「いい時間設計」のためにデータサイエンスを活用する

 「人口減少で労働人口が足りなくなると言われている中では、働き方改革はバズワードではなく、真剣に取り組むべきものです」と語るのは、コニカミノルタジャパン株式会社 マーケティング本部 データサイエンス推進室 室長の矢部章一氏だ。働き手が今後大きく減り、2033年には現状の業務プロセスを40%程度は改善しないと企業は立ちゆかなくなる。そのための効率化は一気にできるものではないので、今から真剣に取り組む必要があると指摘する。
コニカミノルタジャパン株式会社
マーケティング本部 データサイエンス推進室 室長
矢部章一氏

 そのためにコニカミノルタでは、「いい時間設計」を行おうとしている。これは作業の時間を減らし、創造の時間を増やし、さらにプライベートの時間も確保するもの。そのためにデータサイエンスを活用している。矢部氏は2013年にコニカミノルタに転職、2014年からデータサイエンスをプロセスの効率化に活用するため調査を始めた。2015年にはそれをプロジェクト化し、2016年にはデータサイエンス推進室を設立、本格的にビジネスプロセスのイノベーションに取り組んでいる。

 矢部氏はまず、人事部に配属してもらい現場業務の調査から始めた。「現場の実際の業務を知るところから始めないと、データサイエンスのプロジェクトはうまく立ち上がりません」と矢部氏。データサイエンス推進室のメンバーも、バーチャルに現場部門に入り込んで、リアルな仕事を経験できるようにし現場の課題を体験するところから実施している。

 2年間の準備期間で現場業務を把握して課題を洗い出し、2016年度には見積もり予測や離反予測などの分析モデルを1年間で130本も構築した。「役務収益の予測モデルを使えば、ものの数分で予測ができるようになり、その誤差も1%以内で計算できます」と矢部氏。他にも製品買い換え確率を算出するモデルを現場担当者と一緒に作り、生産性向上を実現している例もある。これらデータサイエンスの取り組みを年間で換算すると、7億円もの効果になっている。

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