DXが全体最適の下に行われておらず、結果として財務上の結果に結びついていない――IDCが国内企業のDX動向調査

EnterpriseZine / 2019年8月30日 14時0分

 IDC Japanは、国内企業を対象としたデジタルトランスフォーメーション(DX)の動向調査結果を発表した。これによると、国内企業のDXへの取り組みは、より現実的な目標、業務上の課題解決に向けたものとなっている一方で、その効果を実感していない企業も多く、DXプロジェクト/システム間の連携も道半ばであることがわかった。

国内企業のDXの目的は、業務の卓越性などより現実的なものへ

 IDCでは、2019年7月に、DXに取り組んでいる企業150社を対象としたDXの動向調査を実施した。これは、2018年に引き続き行われたものであり、国内企業におけるDXとビジネスとの連携、推進上の課題、DX実現のIT基盤などを幅広く聞いたものだという。

 このうち、国内企業のDX戦略については、ビジネスの戦略と強く結びついた長期的なものであるとした回答が43.4%と半分を下回り、DX戦略とビジネス戦略の間に乖離がある企業がまだ多いという結果となった。これは、2018年の同様の質問結果とほぼ同等の結果。DXとは、ビジネスの変革である以上、両者のより強い連携が必要であるとIDCではみている。

 一方、DX推進の際の優先事項/目的を聞いた結果では、製品/サービス開発業務の卓越性、人材の卓越性などが上位に挙がった。2018年の調査では、データの資本化/収益化が1位だったことと比べると、国内企業のDXはより現実的な、目の前にある課題解決に向けた目標に移行しているものとみられる。
参考資料:国内企業におけるDX推進の「優先事項」(作成:IDC Japan)
Q.「あなたの会社は、デジタル変革(DX)のビジョンや戦略、ロードマップに基づき、
どのようなことを優先していますか? 該当する項目をすべて選択してください。」

全社最適かつ長期的な取り組みとしてのDXを目指すべき

 では、DXによって国内企業は業績上の恩恵を受けているのか。DXの売上/利益に対するインパクトを聞いた質問では、「現時点ではDXによる売上/利益増加の効果は見えていない」とした回答が最も多く、37.3%に上った。これに「財務的なインパクトを測定していない」とした割合を合わせると、実に半数の企業でDXが実際のビジネスへの効果を見ることができていないということになる。

 さらにDXの課題として、DXのプロジェクトが社内でバラバラに行われていたり、複数のDXシステム間の連携がなかったりといったことが挙げられており、上述の「DX戦略とビジネス戦略との乖離」とも合わせて考えると、DXが全体最適の下行われておらず、結果として財務上の結果に結びついていないという国内企業の姿が想像される。

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