「ポスト・テレビの時代」―スマートテレビへの道(後編)

EnterpriseZine / 2012年5月22日 7時0分

図:世代別視聴時間の推移

ポストテレビの時代、後編となる今回はテレビコンテンツの配信側について解説しよう。(前編はこちら

■テレビ局を取り巻く現状国内コンテンツ市場

 総務省の発行している「情報通信白書」によれば、国内のコンテンツ市場はここ数年11兆円規模で堅調に推移している。そのうち約5.3兆円を映像コンテンツが占めている。その映像コンテンツの中でも地上テレビ番組と衛星・CATVの合計が約3.6兆円を占め国内映像コンテンツ市場の約7割をテレビコンテンツが稼ぎ出していることになる。
図:国内コンテンツ市場の現状

 映像コンテンツの支柱とも言えるテレビコンテンツだが年々収益の大部分を占める広告費は減少傾向にあり、魅力的なコンテンツを作りたくとも経費削減のため番組制作コストの減少という悪循環となっている。

 視聴者離れと広告収入の低下が指摘されるテレビ業界だが、その実態はどのようになっているのだろうか。
視聴率低下の原因

 一般的には制作費の低下等により面白い番組が作れなくなり、テレビのコンテンツ力の低下によって視聴者離れが進み、それによって視聴率が低下していると考えられている。

 確かにその要素は強いが、視聴率調査方法にも実はいくつかの原因が隠されている。

1.視聴機器の多様化によるカウントされない視聴の増加

 ビデオリサーチ社の視聴率には地上波放送、BS放送、CS放送、CATVらを表示するテレビ受像機が対象となる。ワンセグを携帯電話やゲーム機で見る、パソコンで見る、録画機器で見る、といったケースの視聴数は含まれていない。当然だが違法に動画サイトにアップロードされたコンテンツも当然視聴率には含まれていない。 

 家庭内に溢れるスクリーンの増加に「視聴率」カウントの仕組みが追随できていないのだ。   

2.ライフスタイルの多様化によるゴールデンタイムの分散

 昨年「家政婦のミタ」が視聴率40%を記録した日本テレビが9年ぶりに「視聴率三冠」に輝いた。この視聴率三冠とは、全日(6時~24時までの18時間)、ゴールデンタイム(19時~22時)、プライムタイム(19時~23時)の三つの時間帯での平均視聴率でそれぞれ一位を獲得することを言う。  

 よく視聴率と言うと、ゴールデンタイムを想像する人も多いだろう。このゴールデンタイムに放送された番組の視聴率が5%にも満たず、放送打ち切りになると言ったことも見かけるようになった。そういった報道を見ると多くの人がテレビを見ている人が少なくなったと感じているのではないだろうか。しかし、ここにも生活習慣の変化が視聴率に影響を与えている。  

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