SQL Serverのスレッドスケジューリング (後編)

EnterpriseZine / 2012年9月5日 0時0分

こんにちは。日本マイクロソフト Premier Field Engineering部の古賀です。前回に引き続き、今回もSQL Serverのスレッドスケジューリングについてサンプルプログラムを使用しながら解説していきます。サンプルコードはこちらからダウンロードできます。

■1. イベントオブジェクト

 SQL Serverのスレッドはロックやラッチの解放待ちなどで必要に応じて待機状態に入ることがあります。しかし、SQL Serverのノンプリエンプティブなスレッドは一般的なマルチスレッドアプリケーションとは異なり、Windowsが提供するイベントオブジェクトを直接使用して待機状態に入ることができません。.NET FrameworkのSystem.Threading.ManualResetEventのようなイベントオブジェクトを使用できないのです。なぜでしょうか?

 答えを明らかにする前に、サンプルプログラムで.NET Frameworkの待機系オブジェクトを使用して待機状態に入ると一体どうなってしまうのか、動作を確認してみましょう。SchedTestLibプロジェクトにあるEventWaitScenarioクラスのm_bUseNetFxEventという変数をfalseからtrueに変更し、LearningSchedUI.exeから「EventWait Test Scenario」を実行してみてください。m_bUseNetFxEventをtrueにするとManualResetEvent.WaitOneメソッドでワーカーが待機状態に入ります。

 結果、Non-Yieldingエラーが発生してしまいました。なぜでしょうか?答えは簡単です。ワーカーがCPUの使用権を放棄しないままManualResetEvent.WaitOneメソッドで待機状態に入っているからです。ManualResetEvent をシグナル化するワーカーはスケジューラーのランナブルキューにいますが、待機状態に入ったワーカーはCPU使用権を解放していません。ManualResetEventがシグナル化されない訳ですから、Non-Yieldingエラーが発生するのは当然です。

 では、bUseNetFxEventをfalseに変更して、再度「EventWait Test Scenario」を実行してみて下さい。bUseNetFxEventをfalseにすると、EventWaitScenarioクラスはScheduler.dllに実装されているEventクラスのWaitOneメソッドを使用して待機状態に入ります。

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