ビッグデータを活用した海外先進事例~コールセンター改善、医療診断改善、トリプルメディア戦略、都市防犯、BIへの応用

EnterpriseZine / 2012年10月17日 7時0分

図3:IDOL10を用いた構造化データと非構造化データのBIモデル

昨今、意気軒昂なビッグデータの事案を顧客と議論し、技術や製品について紹介していると、ビッグデータ活用の現状にはいくつかのパターンが見えてくる。また、すでに国内で取り組みを開始している内容も含まれるが、HPが実現している海外での先進事例の一部を紹介する。特に、近い将来日本で取り組まれる可能性が高いと予想されるものを挙げる。最後に今後の国内でのビッグデータの展望について概観する。

■ビッグデータ活用の現状

 「ビッグデータとは何なのか?」その定義次第でビッグデータ活用の現状の見え方は大きく変わってくる。例えば、クラウドなどの用語と比較しても直感的に活用例をイメージする事は困難である。筆者は、1年近くビッグデータ担当として仕事をしているが、ビッグデータの捉え方は各自それぞれ異なっている。例えば、人によっては大量のデータを保存するストレージであったり、ビジネスインテリジェンス(BI)の事であったり、データウェアハウス(DWH)の事であったり、Hadoopの事だと考えていたりと様々だ。

 業界的にも例えば100TB以上のデータならビッグデータというような単純な定義があるともっと仕事をし易いのだがそれは叶わぬ事だろう。ここでは、HPとしての定義「大量の構造化、非構造化データを分析し未来を創造する」を前提に、筆者の関わる案件を元にビッグデータの活用の現状を紹介する。

 ビッグデータに関する顧客のニーズや現状として、大きく3つのパターンに分けられる。1つ目は、ビッグデータだとは認識していない顧客が多いことだ。我々ベンダーからの視点からは文字通りビッグデータの案件なのだが、顧客からすればそれがビッグデータなのか異なるのかは関係のない話であり、ビジネス上の課題を解決する事が目的であるので、その解決手段が非構造化の大量なデータを分析しているとしても、顧客にとって大きな意味をなさない。したがって、筆者自身もあえて「ビッグデータ案件ですね」とは顧客に話をするわけではない。中でも特に顧客からの相談が多いのはリレーショナルデータベースシステムのデータをDWHに移し、分析するシステムのパフォーマンス改善であったり、Hadoopによる業務システムのバッチ処理高速化などである。

 2つ目に、よく顧客から相談を受けるのが、「ビッグデータとは何か?」というようないわゆるワークショップなどからはじまる事案だ。その中でビッグデータの世界でできる事、技術、製品などを紹介しながら進めて行くので、顧客自身もビッグデータによるITの改善だと認識する事になる。ここではWeb 上のデータを解析するECシステムや、音波を使ったパターンマッチングなどの実験段階というフェーズが多い。つまり、テクノロジーによるイノベーションの実現である。ここでは構造化、非構造化データをすべて取り込んだデータベースで一括管理し、顧客の状況を把握するようなシステムを構築したりする。

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