コアメンバーやコミッターに憧れて―ポスグレの若きエース、藤井雅雄さん

EnterpriseZine / 2012年10月19日 0時0分

今からさかのぼること2年前、2010年9月にPostgreSQL 9.0がリリースされた。順当に行けばバージョンが8.5になるところ、9.0へと数字が飛躍したのはそれだけ大きな新機能群が盛り込まれたことを意味していた。その代表格となるのがストリーミングレプリケーション。これには日本人エンジニアの活躍があった。中心に株式会社NTTデータ 藤井雅雄さんがいた。藤井さんはこの貢献によりIPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の2010年度日本OSS奨励賞を受賞した。

■唯一単位を落としたのがデータベース

 学生時代に情報系を専攻し、NTTデータに就職。当時から「技術をやりたい」と技術志向だった藤井さん。おりしもLinuxが注目を浴びるようになっていたころで、藤井さんはオープンソースへの関心も高かった。新人研修ではLinuxの技術者認定試験LPIC(レベル1)に1ヶ月で合格した。大学の授業でUnixを扱っていたこともあり、「Linuxの敷居はそう高くありませんでした。オープンソースの中身を見てみたいと思いました」と話す。

 新人研修が終わり、配属されたのはPostgreSQLをベースに複数のデータベースを並列分散処理する製品(PostgresForest)の後継製品の研究開発を行うプロジェクトだった。最初からばっちりデータベースである。ところが藤井さんは「データベースだけは単位を落としていたのに、まさかデータベースのプロジェクトに割り当てられるとは」と苦笑い。実は藤井さん、データベースが苦手だった。

 「学生時代にデータベースの講義も履修しましたが、正直“SQLってよく分からない”という印象で、正規化にしても必要性が理解できませんでした。PostgreSQLも配属されて初めて存在を知ったくらいです」(藤井さん)

 幸い、配属されたプロジェクトはSQLや正規化に頭を悩ませるようなところではなかった。一般的にデータベースに関する業務だとアプリケーション開発の上位層でデータベースを「使う」ことになるが、配属先はデータベースそのものを「作る」ところだった。特殊な分野である。

 「とても面白いプロジェクトでした。SQLも知らないし、データをどうバックアップするか運用のノウハウを知らないままでしたが、開発を進めていきました。時にはPostgreSQLのソースコードに目を通すこともありました」(藤井さん)

 オープンソースのソースコードを読むとなると、難易度が高かったはずだ。しかし先輩「トレーナー」が手ほどきをしてくれた。NTTデータでは新人研修を終えた後でも、最初の2年間は「育成社員」としてトレーナーをつけてもらいながら業務を行うことになっている。

加山恵美[著]

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