東大・小川紘一氏が提唱する2020年に向けた製造業復活戦略、集中講義開催

EnterpriseZine / 2012年11月8日 6時0分

司会:妹尾堅一郎氏(NPO産学連携推進機構理事長)

日本の製造業が直面する課題を、グローバル市場の構造転換という新たなフレームワークで捉え、2020年に向けた日本再生のシナリオを製造業の視点から提案する東京大学・小川紘一氏が、「イノベーションと標準・知財戦略」のセミナーを集中公開講義としておこなう。主催するのは産学連携推進機構、発案者は同理事長の妹尾堅一郎氏であり、妹尾氏自らが司会をおこなう予定。緊急開催されるこのセミナーの概要を紹介する。

■2020年の日本に向けて

 シャープの苦悩、パナソニックの大幅赤字など相次ぐ国内製造業の経営危機。日本の産業の深刻さを唱えるニュースを聞かない日は無いぐらいだ。かつて語られた日本の技術の優位性、品質、ものづくりへの自信と誇りに満ちた言葉は、今や一転して悲観論に置きかえられている。

 そんな中で、「2020年に向けた製造業復活戦略」を唱える研究者がいる。東京大学大学院経済研究科ものづくり経営研究センターの小川紘一氏だ。小川氏が唱えるのは決して楽観的な官僚作文型の日本再生ビジョンでも、概念的な「イノベーション待望論」でもない。長期にわたる知財と技術戦略の実証的研究によるものである。

 小川氏の研究成果をつぎ込んだ集中講義は、3回に渡って下記の構成で行われる。

 序章 *再生した2020年の日本の姿(ビション)、*現在の日本、何が課題なのか

 第一章 日本は「製造業の敗戦」に直面している

 第二章 グローバル市場の産業構造が変わった

 第三章 欧米企業が完成させた“伸びゆく手”の経営イノベーション

 第四章 アジア企業が完成させたトータル・ビジネスコストの経営イノベーション

 第五章 日本の製造業が途上国市場で完成させた経営イノベーション
-21世紀の日本の勝ちパターンがアジア市場にあったー

 第六章 2020年 日本製造業の復活に向けて

 日本の製造業敗戦論、失敗分析論から入る論調が多い中、小川氏はあえて2020年の明るい未来を具体的に描き出すことから始めるという。

■製造業の復活シナリオとは

 「製造業の復活とは、技術イノベーションや製品イノベーション、そしてモノづくりなどと呼ばれる従来型のハードパワーを、日本の雇用と経済成長に結びつけ仕組みとしてのビジネスモデル再構築のことであり、この仕組みをグローバル市場で安定化させる知財マネジメント再構築。こうしたソフトパワーを育成するには経営側のイノベーションが必須となる。ハードパワーには巨額の投資が必要だが、ソフトパワー育成には大きな投資が不要。GDPの22%を占める製造業にソフトパワーを吹き込み、日本経済を成長軌道に乗せよう。」(小川氏)

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