「オープン・サービス・イノベーション」によるビジネス創造とは?(概要編)

EnterpriseZine / 2012年11月20日 10時0分

図4:オープン・サービス・イノベーションのコンセプトマップ 

製品中心のイノベーションを行うだけでは持続的な優位性を維持できなくなっている。成長への解決策を企業が見つけるためには、サービス領域でのイノベーションが鍵となる。本連載では「生活者発想」を掲げる博報堂グループの視点から、製品に下支えされたサービス全体を生活者への提供価値として捉え、イノベーションに対する新たなアプローチを解説する。今回は、「オープン・サービス・イノベーション」とは何か?を、概論として解説する。

■「オープン・サービス・イノベーション」とは? 

 本連載で取り上げる「オープン・サービス・イノベーション」とは、ヘンリー・チェスブロウ氏(カリフォルニア大学バークレー校 ハース・スクール・オブ・ビジネス教授)が提唱する「オープン・イノベーション」の考えを、製品からサービス分野に拡大した捉え方である。

 先進国経済の中心がサービス産業へとシフトし、多くの業界や企業がサービスをビジネスに組み込み始めた結果、経済活動に占めるモノの割合は減り続けている。米国では近年、経済活動の80%近くがサービス分野である。図1が示す通り、これは今に始まったことではなく、今後も加速していくと考えられる。

 つまり、サービス関連のビジネスが増えるこれからの時代に企業が成功し続けるためには、従来の製品中心のイノベーションだけでは不十分であり、サービス領域でのイノベーションが不可欠であるといえる。製品中心からサービス中心へ、モノづくりからコトづくりへと企業が顧客に提供する価値がシフトしていくなか、モノを使う側にいる生活者と共創しながら、競争力のあるコトづくりを創造することが求められているのである。

 広告会社であるTBWA博報堂がイノベーション事業に取組んでいる理由は、まさにここにある。我々、博報堂グループは「人々の暮らしはどこへと向かっていくのか」を生活者視点で捉える「生活者発想」を掲げている。人をユーザーやターゲットとしてではなく、生活者として「まるごと」観察し、生活者の心の奥にある価値観や欲求の変化を読み解いていく「生活者発想」は、コミュニケーションの領域はもちろん、イノベーションの領域でこそ活かせると考えている。

 昨年来、我々はHAKUHODO.UNIVという博報堂の企業内大学にて、生活者発想のオープン・イノベーションにより、人々の暮らしを豊かにする新規事業や商品を創出するための研究に取組んでいる。

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