「オープン・イノベーション」の実践-自社での取組みと仲介サービスを組み合わせる

EnterpriseZine / 2013年4月10日 8時0分

写真9. 「INNOVATION EXCHANGE」のHPより

今までの連載では、「オープン・イノベーション」、「オープン・サービス・イノベーション」の基本概論を中心に解説してきました。今回は、「オープン・サービス・イノベーション」の取組み自体を、自社に導入していく際に、自社だけではなく、導入を支援する企業などのサービスを俯瞰し、企業での実践の参考になるような様々な選択肢を提示します。

■オープン・イノベーションのために情報発信し、技術導入を仲介企業と取り組む

●オープン・イノベーションのための情報発信-自社でどこまで出来るか?

 現在、オープン・イノベーションを推進する部署を設け、外部から情報収集を行うためのWEBサイトを自社で設けている企業が数多くあります。オープン・イノベーションのためのWEBサイトでは、P&G社の「コネクト+デベロップ」や、Kraft社の「Collaboration Kitchen」などが有名である。

 P&G社の「コネクト+デベロップ」では、同社のニーズが公開されており、消費者調査の方法や、製品の品質評価のための技術、容器、素材まで様々なアイデア、技術を募集している。同サイトによると、「コネクト+デベロップ」の米国サイトを通じて協働技術開発の提案があったことをきっかけに、局所抗菌治療の専門会社 Syntopix社との協働技術開発に合意するなど、このプラットフォームを活用してイノベーションを生み出している。

●「技術導入」におけるオープン・イノベーションの仲介サービス

 このように各社が自ら運営するWEBサイト以外にも、オープン・イノベーションを仲介する様々なサービスがある。弊社が業務提携をしているナインシグマ・ジャパンは、企業の外部技術の活用をサポートしている。既存のネットワークだけでは解決できない、リソース的に手が回らない技術課題に関して、オープンにグローバルに広く技術を求めて提供するという特徴をもっている。同社は自社のWEBサイト上で、現在募集している技術を公開し、他企業や大学、研究機関などから広く探索している。

 彼らに仲介を依頼することで得られる利点が二つある。

 一つは、ナインシグマがリーチ可能な、200万人規模の研究者・技術者のネットワークから、解決策を持つことが期待できる人物を数千人規模で特定し、メールで提案提出を呼びかけるという活動だ。世界中の技術を収集することができる上に、テーマによっては異分野の組織にも幅広く提案を呼び掛けるため、これまでリーチが困難であった分野からの提案についても期待することができる。

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