オンラインとオフラインのチャネルを組み合わせて価値提案を高めよう

EnterpriseZine / 2013年4月17日 8時0分

図11.チャネルの定義手順    

前回は、顧客インターフェースの1つ目の要素である「ターゲット顧客」についてお話ししました。今回は、2つ目の要素である「チャネル」についてご説明していきましょう。過去の連載は、こちらから。

■マルチチャネルの統制-「何を売るか」から「どのように売るか」へ

●「何を売るか」から「どのように売るか」へ

 「メーカーのロゴを取ってしまったら、どのメーカーのデジタルカメラなのか、家電量販店の店員でも分からなくなってしまうことがある。」

 あるコメンテーターが、数ヶ月前のニュース番組でこんなことを言っていました。今や、プロダクトやサービスそのもので持続的な差別化を図っていくことは難しくなってきています。それは、1.需要を恒常的に上回る供給、2.他社による模倣が容易になったこと、3.プロダクトライフサイクルの短命化などが理由として挙げられます。

 今回のテーマは、「チャネル」です。現代においてチャネルはプロダクトやサービスと同じくらい、あるいは業界によってはそれ以上に重要なビジネス要素となっています。つまり、「何を売るか」だけでなく、「どのように売るか」がビジネスモデルにとって不可欠な要素となってきています。チャネルの存在意義は、従来の販売拠点の量的確保から顧客交流の質的改善へ変わりつつあります。

 まずは、今回の論点を整理しておきましょう(図1)。

●マルチチャネルの統制がキーとなる

 皆さんは、チャネルというと何を思い浮かべますか?店舗、ホームページ、コールセンター、テレビ広告や折込みチラシ、営業マン、宅急便などといったところでしょうか。また、飲料メーカーにとっての自動販売機、郵便局にとってのポスト、銀行にとってのATMは重要なチャネルです。さらには、FacebookやTwitterのようなソーシャルネットワークサービスを重要なチャネルとして位置付けて、顧客との交流を図る企業も増えてきました。

 インターネットをはじめとする情報技術とネットワークの発展により、企業のもつチャネル数は格段に増えています。複数のチャネル間の統制不足はチャネル間のコンフリクトを起こす一方、高度に洗練されたチャネル設計はプロダクト以上の競争優位をもたらす場合さえあります。

 次に、チャネルの定義と属性を確認していきましょう(図2)。

 チャネル属性の保有タイプは、自社所有、サードパーティ、ハイブリッドの3つに分類することができます(図3)。

 チャネルを自社で持つか否かはチャネル戦略の重要なテーマの1つですが、それは主にコストとコントロールのトレードオフとなります。もちろん、2つのチャネルタイプを使い分けている企業も存在します。たとえばAppleは、アップルストア(直営店)とサードパーティ(家電量販店)の双方のチャネルを上手く使い分けながらビジネス展開しています。

 ハイブリッドとは、自社保有とサードパーティの中間に位置するものです。スターバックスの店舗はほとんどが直営店である一方、ドトールの店舗の多くはフランチャイズです。最近では、ビックロ(ビックカメラとユニクロの共同店舗)のような新しい形態、あるいは特定のテーマをもった複合店舗のような形態も多く現れてくるかもしれません。

白井 和康[著]

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