イノベーションを起こす3つのポイント-新たな企業戦略、社内イノベーション、失敗を減らす方法論

EnterpriseZine / 2013年5月8日 8時0分

図表4.5年の見通しなど意味がないと喝破

「いままで50年やってきた方法は間違いだった。新たな考え方が必要だ」。起業家教育で最もアクティブかつ注目されているスティーブン・G・ブランク氏が、3月19日青山アイビーホールで開かれたビズジェネ・カンファレンス Vol.3 事業創造を成功に導く「顧客開発モデル」で、新たな事業創造へのアプローチを説いた。その内容を前編・後編と2回にわたりレポートする。

■イノベーションを起こす3つのポイント

 新事業を科学的アプローチで実践する「顧客開発モデル」を体系化したスティーブン・G・ブランク氏は、シリコンバレーで8社のハイテク関連のスタートアップ企業に従事し、1996年エピファニー社(企業向けマーケティング用ソフトウェア)を自宅で設立し、99年に引退。以後、スタンフォードなど複数の大学にてアントレプレナーシップについて教鞭をとり、顧客開発モデルの実践プログラム「リーンローンチパッド」を開発した。顧客開発モデルは、邦訳著書の『アントレプレナーの教科書』『スタートアップ・マニュアル』(翔泳社)に詳しく記されている。またブランク氏は、サンノゼマーキュリー誌によりシリコンバレーのインフルエンサー10傑の一人として選ばれている。

 本カンファレンスの『顧客開発モデル-新規事業立ち上げの最新手法と実践プログラム・リーンローンチパッド』と題された同氏の特別講演の内容を紹介したい。

 顧客開発モデルは、最近注目されている「リーン・スタートアップ」の考え方にも大きな影響を与えており、独立したベンチャー企業だけでなく大企業の社内ベンチャーにも適用できるものだ。本講演では、大企業での事業創造に注目して話が進められた。

 ブランク氏は、「今まで50年やってきたやり方は間違いだった」と指摘し、新たに分かってきたこととして、1)新たな企業戦略の考え方、2)社内でイノベーション起こす方法、3)プロダクト開発で失敗を減らす方法、の3つをあげた。

●1:新たな企業戦略の考え方

 まず企業戦略について、ブランク氏は、いくつかの例とともに既存のリーダー企業と新たな破壊者の対比を行った。

 モバイルクレジットは、ビザ、マスターなどのカード会社でなく、スクエア(Square)などベンチャー企業が革新を起こした。電気自動車は、ビッグスリーでなく、テスラ(TESLA)など新興企業が先んじた。スマートフォンは、ノキアのような携帯電話機のトップ企業ではなく、新規参入のアップルが市場を創った。ソーシャルな個人間の宿泊提供は、大手ホテル会社でなくスタートアップのエアB&B(airBnB)が成功させた。つまり、「リーダー企業はイノベーターではなく、新しく外部から参入する企業がよりイノベーションが速い。そして、リーダー企業は、長期的には存在が危うい」(ブランク氏)と語った。

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