デザイン思考の「3つのレンズ」がイノベーションの失敗を防ぐ

EnterpriseZine / 2013年5月31日 8時0分

今回の記事では、イノベーションの失敗を回避するうえで重要な「3つのレンズ」を紹介する。3つのレンズを意識することで、デザイン思考を道具として活用する第一歩を踏み出せる。レンズは有用性・実現可能性・持続可能性から構成される。有用性を基点とし、ユーザーや社会への価値提供をはじめに考えることで、イノベーションの失敗を防ぐことができる。前回の記事はこちら

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■「イノベーション≒技術革新」という誤解

 イノベーションという言葉の解釈は人によってさまざまだが、多くは「技術革新」と混同されている。混同の始まりは1956年だろう。当時の経済白書では「技術革新(イノベーション)」と記述されている。この訳語を読めば、イノベーション実践で最優先すべきは技術のように思える。もちろん、技術や技術のマネジメントが組織経営に与える影響は大きい。

 しかし、技術を基点にイノベーションへ取り組むのは誤りだ。ある製品がイノベーションかどうかは、ユーザーや社会が判断するからだ。製品化を手がける技術者や、販売促進を行う組織にその権利はない。イノベーションへの取り組みは積極的に行うべきだが、その成果については常に謙虚でなければならない。

  謙虚さを持たずに失敗した例として、セグウェイがある。セグウェイは、発明家のディーン・ケーメンが生み出した電動二輪スクーターだ。二輪構造を、高度なジャイロセンサーによって安定させるという点で技術的に新しかった。タイム紙によれば、スティーブ・ジョブズもセグウェイを称賛していた。発明者のケーメンも強気に考えており「1週間に1万台のペースで売れる」と口にしていた。しかし、実際にはイノベーションでも何でもなかったことがわかる。セグウェイは5年間で累計2.4万台ほどしか売れていない。関係者の期待とは裏腹に、市場の反応は冷ややかなものだった。

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