鍵は「パートナーとのエコシステム」―スティーブ・バルマーが語るマイクロソフトのクラウド戦略

EnterpriseZine / 2013年5月30日 16時0分

先日来日した、マイクロソフト コーポレーションのCEO スティーブ・バルマー氏。彼はこれまで、ソフトウェアがITシステムの中でもっとも価値の高いものと考えてきた。とはいうものの、ここ最近は、ハードウェアを用意しそこにインストールする従来のソフトウェアデリバリーの仕方に問題があると言う。その課題を解決するのがクラウド。今後はクラウドからソフトウェアを配信し、その上で最適にハードウェアと統合できることが重要だと指摘する。

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 「ただソフトウェアを開発し提供するだけでなく、マイクロソフトがもっとソフトウェアの面からハードウェアの設計にも協力しなければなりません」(バルマー氏)

 日本には、ハードウェアを提供するOEMベンダーが多数ある。彼らとともに次世代のデバイスを作り上げていくのだとバルマー氏。日本のOEMハードウェアベンダーとのパートナーシップを、ことさら強調した。

 これは、マイクロソフトがクラウドを強く推進してしまうと、ともすればパートナーとの良好なビジネス関係を壊しかねないということだろう。マイクロソフトだけでクラウドの世界を突き進むのではなく、あくまでもパートナーとの良好関係を維持する。こうメッセージすることで、他地域と異なる独自市場の日本への配慮を見せたとも捉えられる。

 さらにバルマー氏は、「マイクロソフトは、今後はデバイスとサービスの会社になるために変貌をします」と続ける。ここで言うところのデバイスとサービスには、マイクロソフトには共通の強味がある。それが、環境を選ばないということ。デバイスは、タブレット、ラップトップ、スマートフォンに対応し、インターフェイスもキーボードはもちろん、タッチパネルでもスタイラスペンでも最適に利用できるソフトウェアを提供する。サービスはクラウドのことであり、Windows Azureなどパブリッククラウドでも、企業のプライベートクラウドやオンプレミスのWindows ServerでもOK。もちろん、両者を組み合わせたハイブリッドでも自由に行き来できる。

 このパブリックからプライベート、オンプレミス、ハイブリッドを一貫して提供しているのはマイクロソフトだけであり、それこそが競合となるGoogleやAmazon、Salesforce.comといったベンダーに対する強味だという。そして、クラウドでもオンプレミスでも、一元的に管理できる管理ツールを提供しているのもマイクロソフトの強味。さらには、開発用、セキュリティ確保のためのツールもすでに準備がある。すべてをまとめて提供でき、なおかつそこにはマイクロソフトとしてのグローバルな規模感と、豊富な経験もあると自信を見せる。

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