国家戦略としてのイノベーションを多様な論客が語る~第4回トポス会議レポート:前編

EnterpriseZine / 2013年10月18日 8時0分

  世界の賢者と考える「トポス会議」シリーズ

2013年10月2日、六本木ヒルズ森タワー・アカデミーヒルズ内ホールにて「第4回トポス会議」が開催された。トポス会議は、研究組織「ワールド・ワイズ・ウェブ・イニシアティブ」(略称w3i)が、産業人や研究者らを集め、世界の様々な課題を「世界の賢者と考える」場(トポスはギリシャ語で場の意)としてシリーズ開催している会議。今回は「日本のイノベーションのパラダイムシフト」と題し、w3iの発起人の1人で多摩大学大学院教授の紺野登氏がモデレーターを務め、学術、ビジネス、行政に携わるパネリストたちが日本に求められる新しいイノベーション・システム、日本にふさわしいイノベーション戦略などを議論した。本レポートでは3セッションのうちトポス1「国家戦略としてのイノベーション」についてお伝えする。

●「イノベーション経済」時代の国家の役割変化とは?

 「国家戦略としてのイノベーション」と題する最初のセッション「トポス1」では、モデレーターとして紺野登氏(多摩大学大学院教授)、パネリストとして、國井秀子氏(芝浦工業大学教授、元リコー常務執行役員)、安藤国威氏(ソニー生命保険株式会社名誉会長、元ソニー株式会社社長)、住田孝之氏(経済産業省 資源エネルギー庁 資源燃料部長)、伊藤正裕氏(株式会社ヤッパ代表取締役会長)の4人が参加した(紹介は発言順)。

 紺野氏は冒頭で、「イノベーションが科学技術主導からより広く社会を巻き込むかたちへと大きく変わっている現在、そのなかでの国家の役割も変化している」と指摘。国際機関の世界銀行がソーシャル・イノベーションのような考え方はこれからの経済成長に欠かせないと主張していることにも触れ、グローバルな視野を持ちつつ、日本はどうイノベーションを考え、総合的な取り組みを実践していくべきなのかを議論していきたいと述べた。

■危機意識を持って社会システムの変革とルールづくりへ〜芝浦工業大学教授 國井氏

 まず、國井氏は次のように問題提起した。

●イノベーション・エコシステムの構築が必要

 豊かな生活のあり方が、モノの所有からサービスの利用へと変化するなか、企業もクラウドコンピューティングの提供など、サービス化の方向へ進んでいる。今後の課題は、こうした「サービスの共有化のアーキテクチャーをどう構築するか」ということだ。どういう社会を作るのかというビジョンが必要で、そのためのシステム設計、ルールづくりが重要となる。

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