1,000円のコーヒーから得た付加価値をどう配分するのか?事業計画で重要な経営者の役割

EnterpriseZine / 2013年10月28日 8時0分

  図2 人件費、従業員数の計画

 付加価値を「見える化」するためのツールとして、変動損益計算書が有効でした。付加価値が見えその大きさがわかれば、付加価値がなぜ生まれたのか分析する必要があります。前回は、「1,000円のコーヒーを高いと思わせない方法とは?」というテーマで、付加価値を創造する経営を考えました。付加価値の創造は、どの事業でも最優先課題です。今回は、創造された付加価値をどう使うのか、すなわち付加価値をどう分配するのかを考えましょう。事業計画ではとても重要なテーマです。

必須のビジネス会計力を入門から学ぶ講座の第3弾「管理会計」編、開催
本連載筆者による、事業計画の意思決定や判断に役立つ「管理会計」の基本を学ぶ!!    

管理会計は、経営管理に活用するものですがその活用方法は企業ごとに異なり体系化されていません。今回の講座では、1:「損益分岐点分析」を通じた管理会計の基本、2:「変動損益計算書」による「付加価値」を分析するコツ、3:「利益計画」の立て方・考え方の基本の3点を中心に、管理会計を事業計画に活用するための基本を1日集中型の講座で解説します。

 

日時:2013年12月13日(金)10:00~17:30(受付開始は9:30)

受講料:38,000円(税別)/39,900円(税込)

会場:株式会社翔泳社(東京・四谷三丁目)

お申込・詳細 ⇒ こちら

■付加価値をとらえる2つの方法

 これまで説明してきたように「限界利益は付加価値」です。売上高から控除される材料費、外注加工費、商品売上原価などの変動費は、外部からの購入した価値に対して支払われた費用です。外部から購入した費用を除いたものが、自ら生み出した価値、すなわち付加価値です。それが限界利益です。

 一般的に付加価値は、2つの考え方でとらえることができます(図1)。加算方式と控除方式です。「控除方式」とは、変動損益計算書の限界利益のように、売上高から外部購入費用を控除して求める方法です。

 これに対して、加算方式は、付加価値が分配された項目の金額を集計して求めます。限界利益(付加価値)は、「固定費」と「(税引き前)利益」に分配されています。付加価値の代表的な分配先は、固定費としての人件費です。一般的に付加価値の50%以上は、給与、賞与、役員報酬などに分配されます。労働力を提供してくれた社員や役員への分配です。一定の業績が上がると、業績賞与を支給することで、付加価値を生み出した人に報いる方法もよく取られますね。また資金提供者には、利息を支払い(支払利息)、土地や建物の提供者には、地代(地代家賃)を払います。国や地方自治体に対しても、法人税、事業税、住民税として付加価値の一部を支払い(分配し)ます。

 また投資した資金(設備資金、M&A資金)を回収する(取り戻す)ために、減価償却費を計上しますね(第2回『3つの決算書の関係を理解できないと「計数計画」は立てられない』参照)。投資資金の一部は、付加価値から減価償却費として回収します。

 最後に残った税引き後利益は、株主のものです。一部は、配当として支払われ(分配され)、残りは利益剰余金として貯蓄します(貸借対照表の純資産が増加)。

千賀 秀信[著]

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