「個人を特定する情報が個人情報である」と信じているすべての方へ

EnterpriseZine / 2014年4月11日 7時0分

 山本 誤解する人は、この個人情報の定義をよく理解しておらず、個人情報の概念を勝手に分類してしまっているのですね。

 高木 先程の住所、氏名、連絡先が個人情報であると思っている人は、要するに、ここ(生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる……)を飛ばしてみている。そのため「『氏名、生年月日、その他の記述等』の『特定の個人を識別することができるもの』」が個人情報であると読んでしまっていると思うのです。この飛ばしてしまった部分が大事でして、「個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日……」ということですね。図にしてみましたが、このように「個人に関する情報」のところ、文章みたいなものがいろいろ書かれている。例えば、「この人はどの大学を出て、どの会社で何年働いた。こんなレンタルビデオを借りている。図書館でこんな本を借りている」という事実が書いてある。これ全体を「個人に関する情報」と法律では呼んでいるのですね。「当該情報」とはこれ全体のことであり、全体のところに含まれる氏名その他の記述、それでもって「特定の個人を識別できる」場合に個人情報に該当するわけですが、ここの「もの」とは、これ全体を指していますから、この赤いところを指しているのではなく、これ全体を指していて、それが個人情報だというわけです。

 山本 非常に重要なところですよね。実際、「氏名、連絡先さえ抜いておけば個人情報ではないのである」という誤解が非常に広がっているという状態だと思います。プライバシーポリシーのあり方を考える上でこの辺の話をきちんと普及・啓蒙するための活動がどのようなものがあるのか? という議論があると思うのですね。

 高木 もし、単に氏名、連絡先を分離しただけで個人情報でなくなるのであれば、法律の条文は最初から「特定の個人を識別する情報」と定義すればよかったはずです。しかし、そうはしないで、このような持って回った定義の仕方をしているのは、「特定の個人を識別する情報」という意味ではないという意図が感じられますよね。

 山本 おそらく、「匿名化措置」の問題もこの誤読の中で起きていると思うのですね。「個人の氏名や連絡先などを除外すれば匿名化である」という、かなり間違った見解を出している人もけっこういるのですが、グレーゾーンですらないのにもかかわらず、彼らにはグレーゾーンであるとみえている。

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