ビッグデータ活用の本命領域はデジタルマーケティング、そのアプローチはWebからか顧客からか

EnterpriseZine / 2014年5月8日 11時0分

Customer Intelligence システムの機能全体像

 ビッグデータという言葉は、ようやく世の中に定着した感がある。これまではどちらかと言えばビッグデータ活用のための、情報基盤を実現する技術部分に注目が集まっていた。企業にとって有効で具体的な情報活用方法や、企業の中で中長期に運用していくための方策などの情報は、まだまだ少ないのが現状だ。そんな中、今後ビッグデータ活用の具体的な事例として増えてきそうなのが、デジタルマーケティングの領域だろう。リスク管理にビッグデータを活用する例もあるが、企業業績を伸ばすという目的であればマーケティング活動でのビッグデータ活用が本命と言える。

■オンライン上の行動履歴を活用するというアプローチ

 このデジタルマーケティング領域でのビッグデータ活用にも、さまざまなアプローチがある。すぐに思い浮かぶのは、Web上での行動履歴を蓄積しそれを分析した結果をもとに顧客に最適化したアプローチをするものだ。この辺りは、もともとWebサイトの構築やその上での情報収集に長けていたアドビ システムズなどが先行している。

 Webサイトでクッキーなどを用い詳細な閲覧履歴情報などを収集する。得られた行動ログというビッグデータを分析し、その結果からユーザーが何を求めているかを推測する。さらにランディングページを作りそこへ誘導して、行動履歴と個人情報を結びつけることができれば、ECサイト上などで商品を薦めたりキャンペーンのダイレクトメールを送ったりすることも可能となる。

 この場合は、必ずしも企業内に購買やサポートなどのシステムと統一化された「完璧な顧客データベース」がなくてもいい。Webの行動履歴を軸に顧客の実体が分からないクッキー情報のままでも、マーケティングのシナリオを書いていくことができるだろう。これは、マーケッターにとっては日々のマーケティング活動の中でビッグデータを活用しやすいやり方だ。そして、まさにWebをよく知るアドビのようなベンダーらしい、デジタルマーケティングへのアプローチと言える。

 最終的にはデジタルマーケティング活動で収集した顧客情報と、既存のCRMや購買システム、保守サポートシステムなどの顧客情報とを結びつけることで、マーケティングからサポートに至る「カスタマージャーニー」を適切に管理できる。そこまでできれば、個々の顧客からの売り上げなりを最大化することにもつながる。しかしながら、ここに至るにはそれなりのシステムインテグレーションも必要になり、敷居は少し高くなる。

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