「保護が必要なデータの約半数は保護されていない」―EMC FORUM 2014レポート

EnterpriseZine / 2014年8月18日 12時0分

図:sshot-3

 7月31日から2日間、EMCは「EMC FORUM 2014」を開催した。そのなかで同社 下路 崇夫氏がデータ保護に関する調査結果とデータ保護のありかたについて解説した。

 企業のシステムにおけるデータを保全する方法は時代とともに変遷してきている。当初は「バックアップ」と呼んでいた。できるだけ大きなサイズの保存先を用意して、そこにデータのコピーを保存していた。しかし仮想化が進み、また災害対策などの要請もあり、「バックアップ」は「データ保護」へと考え方が変わってきた。

 今は図で言うなら「インフラストラクチャ中心データ保護」のピーク手前。「サーバー中心のバックアップ」が残りつつ、次の「クラウドサービス中心データ管理」も始まりつつあるところにいる。全てが混じる過渡期だ。EMCはこれからクラウドサービスが普及していくにつれ「データ保護」は「データ管理」という考えへと発展していくと見ている。

 データ保護に関する実情を調査結果からも見てみよう。EMCがIDCと年次で共同制作している「デジタルユニバースに関する調査結果」というのがある。「デジタルユニバース」とは世界で生成されるデータ全体を指す呼称。この調査結果には1年で生成されたデータ量と今後の予測が示されている。

 結果の1つとして下路氏は「日本では保護が必要なデータの約半数がまだ保護されていません」と挙げた。ややショッキングな数字である。

 続けて下路氏は「一昨年の結果」として、さらにショッキングな結果も指摘した。「過去1年以内にデータ消失を経験した企業の割合」が57%、また「バックアップデータを『完全にリカバリーできる』という自信がない」企業経営者は77%にも上るという。直近でデータ消失を経験した企業が半数以上あるなか、バックアップも生かせるかどうか確信が持てないまま運用している企業経営者が多いことに驚かされる。

 近年起きたデータ消失の実例をいくつか挙げよう。例えばある航空会社ではデータ移行時に誤操作で座席指定データを消去してしまい、顧客や代理店に再指定を強いることになった。これが座席指定のデータでまだよかった。予約データなら大混乱が起きかねないインシデントだった。ほかにもある生命保険会社ではデータベースソフトウェアのバグにより、データの論理破壊が生じて業務システムが3日間停止に追い込まれたインシデントもあった。データ消失を伴うインシデントはどれも致命的な事態に発展しかねない。企業のビジネスや信用に深刻な影響を及ぼすことがある。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング