ビジネスモデル会計がめざすもの-究極の計数感覚

EnterpriseZine / 2014年8月28日 8時0分

図2.ビジネスモデル会計・モデル化計数・5つの計器の関係

 ビジネスモデルを構築する必要性を一言でいえば、「付加価値の創造」です。そしてビジネスモデル会計の重要な役割は、付加価値を測定し、ビジネスモデルを評価するための基準作りです。前回は、ドラッカーの5つの計器を、「ビジネスモデルの評価基準」として紹介しました。連載のテーマである「ビジネスモデルを会計的に考える発想」すなわち「計数感覚」が重要であることは、ドラッカーの5つの計器をみれば明らかではないでしょうか。連載の最後に、ビジネスモデルとビジネスモデル会計の関係を整理しながら、計数感覚をどのように身に付けたらいいのかについて、まとめてみます。

■ビジネスモデルと戦略フローの関係を理解しよう

 ビジネスモデルを考える場合には、まず戦略フローとビジネスモデルキャンバスの関係(第17回)を理解しておく必要があります。

 戦略フローは、ビジネスの方向性を定義することから始まります。すなわち「戦略ドメイン(顧客、ニーズ、独自能力)」の定義を行います。第17回ではイオン、ローソンなどが、競って展開している小型スーパーの例をあげました。戦略ドメインの定義によって、顧客を明確にし、何を提供するのかを決める段階です。この“何を”にあたるのが、「VP(価値提案)」です。価値提案すなわちビジネス・アイディアがひらめいたら、それを実現するための方法論を具体的に構築していきます。

 この方法論こそ、「マーケティング」です。チャネルの選択(CH)、カスタマーリレーションの方法(CR)、必要な設備などのインフラ(KR)は何か、必要人員と必要な能力は何か(KA)、仕入先、外注先などのパートナー(KP)の選定・活用など、企業活動のイメージを膨らませることで、ビジネスモデルの実現可能性を確信していくプロセスが、マーケティングです。戦略ドメイン、マーケティングとビジネスモデルキャンバス(9つのブロック)との整合性も確認してください(第15回)。

 ビジネスモデルを考える過程で、計数化を並行して考えることが必要です。計数化に際しては、次の5つの項目(これをモデル化計数と名付けます)を柱にして検討します(図1)。

 戦略ドメインとマーケティングに関連する知識やノウハウは、ビジネススクールなどで勉強している人も多いでしょう。これらの基本的な考え方を理解している人は、実践的なワークショップを繰り返すことで、自然と使い方を身に付けることができるはずです。

  • 前のページ
    • 1
    • 2
  • 次のページ
EnterpriseZine

トピックスRSS

ランキング