IBM ココロスキー氏に訊く、DBaaSベンダーCloudant買収で生まれた新たなメリット

EnterpriseZine / 2014年9月29日 0時0分

CloudantのDBaaSの構成

 去る2014年2月24日、米国ラスベガスで開催されたカンファレンス「IBM Pulse 2014」。前日まで行われていたパートナー企業向けセッションに、CloudantのファウンダーでありCTOのアダム・ココロスキー氏はゲストの立場で参加していた。ところが翌日にはIBMがCloudantを買収すると発表。そこからはイベントのホストへと立場は一変することになった。買収したSoftLayerを中核にクラウドに注力するIBM。そして、新たに手に入れたクラウドサービスのCloudantを融合することでどんなメリットが生まれるのだろうか。

■DBaaSは開発者が抱えるリスクを最小化する

 CloudantはDBaaS(Database as a Service)を提供するクラウドベンダーだ。サービス化しているのは、リレーショナルデータベースではなくちょっと珍しいNoSQLデータベースだ。中でもJSON形式のデータを扱うドキュメント指向データベースをクラウドで提供している。Cloudantのサービスは、モバイルアプリケーションの開発者が利用しやすいものとして定評がある。

 「アプリケーションの開発者は、データレイヤーの性能や拡張性の部分でリスクを抱えています。それを最低限にするのがDBaaSです」(ココロスキー氏)

 ホスティングやIaaSでモバイルアプリケーションの開発環境を用意するのとは違い、DBaaSは開発者の「オファー(提案、要求)」そのものを提供する。なのでたんにクラウド上にNoSQLのデータベースを置くだけでなく、Cloudantでは独自のサービス・モニタリングの仕組みもしている。

 サービスは、JSON形式のデータをHTTP(REST)を介して提供する。「Webアプリケーションやモバイルアプリケーションの開発者には親しみやすいものになっています」とココロスキー氏。Webサービスを必ず介すことになるモバイルアプリケーションなどでは、このWebサービスの形で利用できるCloudantは馴染みやすく使いやすいものだ。

 可用性の高さもCloudantが評価されるポイントだ。データの移行性には注力しており、さまざまなIaaSの上でサービスを展開している。拠点を跨がるようなデータセンター間でのディザスタリカバリーも容易に行える設計となっている。「地域的に分散していても低遅延で運用できます」とココロスキー氏。また、モバイルアプリケーション、とくにゲームなどのサービスを提供する場合にはインフラのSLA(Service Level Agreement)も重要だ。

 「ゲームの世界は諸刃の剣です。面白いゲームでユーザーが増えればデータレイヤーでものすごいトラヒックが発生します。そうなればゲームはダウンしてユーザーは離れてしまいます」(ココロスキー氏)

 高可用性のサービスインフラでありSLAも十分に高くなければオンラインゲームのビジネスはうまくいかない。Cloudantのサービスを使えば、その環境が手に入るのもモバイルアプリケーション開発者から評価されるポイントだ。

谷川 耕一[著]

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