暗号化技術でインターネットを安全にしたい――NTTソフトウェア 菅野哲さんのお仕事

EnterpriseZine / 2014年10月15日 0時0分

  学生時代からずっと暗号化技術に携わり、今では講演や会合などの活動に日々奔走しているNTTソフトウェア株式会社 セキュリティ事業部 アシスタントマネージャー菅野哲さん。これまでのご経歴や、”標準化”の活動、暗号化技術のあれこれを教えていただきました。

■暗号のプロフェッショナル、菅野さんのお仕事

 「暗号にまつわる規格の標準化」とその「暗号化技術の啓蒙」の仕事に従事している菅野さん。何やら忙しいみたいだ。菅野さんは取材の席に着くなり周囲と「7月のトロントの報告で…」と話しはじめていた。7月のトロントとはなんだろう?あれ、もうインタビューが始まっている。話について行かなくては。  

 7月のトロントとはIETFのミーティングだそうだ。IETF(The Internet Engineering Task Force)とは、TCP/IPなどインターネットで使われる技術の標準化を策定する組織である。

 ここで標準化された技術は、RFC(Request For Comments)として公開される。――IETFのワーキンググループが討議した技術仕様書は、IESG(Internet Engineering Steering Group)による承認を経てRFCになる。いわば、世界中の人たちが利用するインターネットの技術やルールの全体に関わる重要な役割を担っている国際的な組織がIETFなのだ。

 筆者もかつては通信プロトコルやメールに関するIETFの文書を目にしたことがある。技術だけではなくインターネットのマナー「ネチケット」までRFC番号がついた文書としてまとめられている。かつてはお作法のスタンダードとしてよく知られていた。  

 その後、筆者が追いかける技術がXMLにシフトするなどレイヤーが変わったこともあり「最近はIETFの活動をあまり目にしてないな」とぼそっと話すと、菅野さんから「いやいや!今でも活動していますよ(笑)」と速攻で反論されてしまった。今でもIETFは年に3回のペースで世界各地でミーティングを開催し、近年では1000人を超える参加者がいるとのこと。

 そもそも、菅野さんはなぜ、このような標準化の活動をしているのか。

 三菱電機とNTTが2000年に共同開発したCamellia(カメリア)という共通鍵暗号アルゴリズムがある。当初は、CamelliaをSSL/TLSやIPsecのような身の回りで利用されている暗号化通信を行うための通信プロトコルで利用できる環境を実現することを目的としてこうした標準化の活動がはじまったそうだ。

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