ジャッキー・フェンさん、テクノロジは「期待と幻滅」のサイクルから逃れられないんでしょうか

EnterpriseZine / 2014年10月15日 16時30分

 毎年、世界屈指のトップアナリストが来日し、日本のCIOやITリーダーたちに向けて"デジタルビジネスの現在と未来"への提言を行うガートナー ジャパン主催の年次カンファレンス「ガートナー シンポジウム/ITxpo 2014」が、今年も10月28日から30日の3日間、東京・港区のホテル日航東京において開催されます。そこで今回も、来日するトップアナリストの中からお二人にお願いして、現在のITトレンドと日本企業のITアダプションに関するアドバイスを伺いました。初回はおなじみのハイプサイクルの考案者のひとりでもあるガートナー リサーチ バイスプレジデント兼ガートナー フェローのジャッキー・フェン(Jackie Fenn)さんに、ハイプサイクルのビジネスへの適用について聞いてみましたので、その内容をご紹介します。

ジャッキー・フェンさん

――フェンさんはハイプサイクルモデルの考案者のひとりと伺っています。そもそもどういう経緯であの形(ハイプサイクル)を思いついたのでしょうか。

フェンさん: 我々が最初にテクノロジに共通するハイプサイクルモデルを編み出したのは1995年です。当時、AI(人工知能)を含む数多くのテクノロジがハイプサイクルで言うところの「過度な期待のピーク期」にさしかかっており、ユーザに対して"約束した価値"を届けられなくなりつつありました。それらのテクノロジの傾向を分析した結果、ほとんどのテクノロジは成熟する前、つまりエンタープライズのユーザに期待通りの価値を届けられるようになる前に"幻滅"される時期を迎えるというパターンになることがわかったのです。我々はこれをハイプサイクルモデルと名づけました。

――たとえばクラウドやビッグデータといったテクノロジも、キーワードとして登場したころは「クラウドすごい」「ビッグデータすごい」と言われていたのが、ある時期から急に「思ったほどクラウドは効率的じゃない」「ビッグデータは言うほどインサイトをもたらさない」などとネガティブな表現を多く見かけるようになりました。これがいわゆる「過度な期待のピーク」を過ぎて「幻滅期」を迎えた状態に当たるのでしょうか。

フェンさんらが考案したハイプサイクルモデル(出典:ガートナージャパン)

フェンさん: そうです。そしてこうしたテクノロジはハイプサイクルから逃れられません。もっと言えば、どんなテクノロジも"期待されたあとに幻滅される"運命にあると言えます。なぜそうなるのかというと、あるテクノロジが「過度な期待のピーク期」に向かっているときはユーザに対する市場からのプレッシャーも強くなります。「みんなが使っているみたいだから、ウチも○○を始めなきゃいけない」というプレッシャーです。しかし、実はその段階のテクノロジは成熟している状態にはなく、むしろ導入することでリスクが高まる場合が多い。現状のIT環境を不安定にさせる要因にもなります。

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