IBMのクラウド戦略の要にWatsonアリ

EnterpriseZine / 2014年11月5日 17時50分

 金融の知識を学習し個人の資産運用をサポートする「Watson Wealth Management」の画面

 先週は、「IBM Insight2014」というイベントの取材で米国ラスベガスを訪れていた。これ、もともとはIBMのデータベースやBI関連の製品、ソリューションを紹介する「Information On Demand」というイベントだったが、ビッグデータ、クラウドの時代になりそれらを活用してどのような「価値」を提供するかにフォーカスするようになり、イベント名称も「Insight」へと進化している。

■Watsonの技術こそがIBMのクラウドサービスの優位性に

 イベントに参加し、この名称変更がじつは重要なメッセージだったなと思った次第。昨年のこのイベントはちょうどSoftLayer買収後だったこともあり、出遅れ気味だったクラウド市場にIBMがいよいよ本格参入するのだという意思表示の場だと感じた。SoftLayerという強力なIaaSを手に入れ、データベースやBI関連の製品もどんどんクラウド対応する。その中の1つにコグニティブ・コンピューティングの「Watson」があったという感じだった。

 今回のInsightでは、そこからさらに一歩進んでクラウドやビッグデータでIBMは何を提供するのかを明確化する場となった。そんなIBMが目的とするのは、まさに「Watson」だった。Watsonを活用することで提供可能となる「Insight」、それを最大化し迅速かつ容易に提供する。ためにクラウドの柔軟なプラットフォームがあり、ビッグデータを容易に扱えるデータベースがあるという形だ。

 つまりは、SoftLayerのようなクラウドインフラを安価にたくさん提供することがIBMの目的ではない。なのでクラウドインフラを安く提供することで鎬を削る競争には参加しない、したくないというのがIBMの本音だと見た。あくまでも、Watsonのような「コグニティブ・コンピューティングで提供できる価値」を提供する、そのために現時点で最適なのがクラウドのプラットフォームなのだ。さらにはInsightを得るためにビッグデータを高速に扱う必要があり、それに最適なのがNetezzaのようなデータベース技術なのだ。

 ところで、ここで言うところのWatsonは、クイズ番組で優勝した自然言語処理に優れた「素のWatson」だけではない。従来のSPSSやCognosといったBIやアナリティクス関連の製品群も含めた広い意味での「Watsonファミリー」と捉えるべきだろう。IBMではこれら既存のBIやアナリティクス技術のところにも、Watsonで培ってきたコグニティブな技術をうまく融合して新たな使いやすいサービスとして提供する。

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