美術を通して、他人の時間を考える【NADiffオススメBOOK】

FASHION HEADLINE / 2015年6月18日 22時0分

美術を通して、他人の時間を考える『他人の時間 TIME OF OTHERS』

各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週木曜日は、アート・ブックショップ「ナディッフ(NADiff)」各店がオススメする1冊をご紹介。今回は東京・清澄白河の支店、ナディッフ コンテンポラリィ(東京都江東区三好4-1-1 東京都現代美術館内)です。

■『他人の時間 TIME OF OTHERS』

東京都現代美術館にて現在開催中(6月28日まで)の「他人の時間 TIME OF OTHERS」展公式図録。

「他人の時間」という言葉からは同時代に生きながらも、自分とは関わりのない人々の時間という意味を想起させる。「私」と「他人」、その関係を築き分断するものとは…。

出品作家のひとりである下道基行の作品「Dusk/Dawn」は、2つのシンプルなブルーが美しい。日没の空とそれと同じ時刻に夜明けを迎える別の場所の空、そしてその空を見る人々の様子を撮影したこの作品は、別の場所にいる誰かの時間を思うきっかけとなる。

その他に、1970年代から1980年代生まれのアジア、オセアニア地域の若手作家を中心とした総勢25名の作家を通して他者性を考察していく。人種、歴史、作風の違う作家らに対して、共通項を設けて一括りに捉え直そうとするのではなく、その隔たりにあえて目を向けることで、その間にあるものとは何かを15年現在の新たな視点で問う。

各国キュレーターによるテキストも充実しており、アジア地域のリアルな美術の動向を垣間見ることが出来る本書。日本国内では作品集が出回っていない作家も多く掲載され、一般書店での流通もないため、見逃せない1冊となる。

なお、展覧会はこれから、大阪、シンガポール、ブリスベンと巡回する。

【書籍情報】
『他人の時間 TIME OF OTHERS』
編集:橋本梓、村上樹里、佐野明子、古市保子
発行:東京都現代美術館、国立国際美術館、シンガポール美術館、クイーンズランド州立美術館|現代美術館、国際交流基金アジアセンター
言語:日本語、英語
148ページ/242×179mm
発刊:2015年4月
価格:1,300円

【展覧会情報】
「他人の時間 TIME OF OTHERS」
会場:東京都現代美術館 企画展示室1階
住所:東京都江東区三好4-1-1
会期:6月28日
日時:10:00~18:00(入場は閉館の30分前まで)
休館日:月曜日
入場料:一般1,000円(800円)
   :大学生・専門学校生・65歳以上800円(640円)
   :中高生600円(480円)
   :小学生以下無料(保護者の同伴が必要)
   ※()内は20名以上の団体料金

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