うずらの卵がアクセサリーに!確かな技術と独創性が織りなす世界--清水政紀【ファツションの“未来”たちに聞く】
FASHION HEADLINE / 2016年9月29日 19時0分
新人デザイナーの登竜門として、毎年イタリアのトリエステで開催されるファッションコンテスト「ITS(イッツ=International Talent Support)」。ファッション界の目利き達が注目するこのコンテストでは、今年4名の日本人デザイナーがファイナリストの栄誉に輝いた。
これを記念して、伊勢丹新宿店本館2階=TOKYO解放区では9月27日から歴代のITSファイナリストたち7名の作品の展示・販売を開始する。
FASHION HEADLINEでは、ITSファイナリスト選出の喜び冷めやらぬ3名にインタビューを行い、受賞作品について、さらに今回の企画で発表する新作への意気込みを語ってもらった。
ーーノミネートに至るまでのプロフィールは?
多摩美術大学の工芸科で彫金を学び、フリーでジュエリーデザイナーとして活動していました。2014年のジャパンジュエリーアワードで賞をいただき、その時に「海外のコンテストで“ITS”というのがあるんだよ」と聞いて、次はITSに応募したいと思うようになりました。その年のITSは、ジュエリー部門で中里周子さんがグランプリを受賞されていて、中里さんの作品を見て“僕もやってみたい”と刺激を受けましたね。それでいろいろ調べて、ITSの受賞者を多く輩出していた「ここのがっこう」に入学し、今回の応募に至りました。
ーー応募のきっかけとなった出来事は何ですか?
今までハイジュエリーの世界でずっと作品を作っていたので、コンテストの主催者側は宝飾専門の有名な企業ばかりでした。そういった経緯もあってハイジュエリーのクオリティーで作品を見る癖がついていたんです。でもITSの中里周子さんの作品はハイジュエリーの素材や技法は使わずに、作品のコンセプトで勝負してITSでグランプリを受賞していた。だから、自分もハイジュエリーではない作品を作ったらいけるんじゃないかな、と思ったのがきっかけですね。
ーー作品のモチーフはどんなものから思いつくのですか?
“ニッチ”なものですね。誰でも知っているけど、それを使って誰もジュエリーを作ったことがない、使い方が今までにないものをモチーフにしています。例えば、祝儀の包み紙などにかける飾り紐の「水引」。ああいう伝統的で馴染みのあるものに自分なりの感覚を加えて、添え物的な存在だった水引を主役にしたらどうなるかなぁ、とか。今回は“うずらの卵”を素材にしているのですが、似たジュエリー作品は他になかったし、このコンテストなら“生きがいい”のが好まれそうだな(笑)と探りつつ、作品作りをしています。身近にあるものから自分なりの視点でモチーフを探すのが楽しいですね。
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