【ドリス・ヴァン・ノッテンからの贈り物2/2:栗野宏文】ファッションの本質を取り戻す
FASHION HEADLINE / 2014年3月17日 12時30分
永年、ドリスのショーを観、バイイングし、自分でも着続けてきた者にとっては彼のショーのアーカイブ画像は懐かしく、また、再発見もあります。会場入り口では“ショーの始まり:ファーストルック”を、そして出口では“フィナーレ”の編集版を上映しており、それだけでも胸に込み上げるものがありました。
おそらく私が最初に観たランウエイは彼の2回目のメンズ(1992年)。そもそも男物の服だけで始まったドリスのコレクションでしたが、毎回フィナーレには女性も登場していました。“マリエ”というかたちで。そう、かつてファッションショーのフィナーレとは“マリエ:結婚式の服”であることが多かったのです。
勿論、ドリスの時代にはその伝統は無くなっていましたが、彼が90年代初頭に敢えて“マリエ”という発想を採用して男女の服を一緒に見せたのは単なる方法論ではなく、彼の比類なき優しさ(Love)から来るものではなかったでしょうか?少なくとも私にはそう思えます。既にファッションの本質が“夢を見させてくれたり、気持ち良くしてくれたり、誰かを美しくすること”から離れ、マネーゲームだったり、あるいはデザイナーエゴの表出となりつつあった時代でした。そんな時代にドリスや彼の仲間達、所謂アントワープ6や同窓生マルタン・マルジェラが追い求めていたものとは“ファッションを本来の場所に戻すこと”であった、と思います。
この奇跡の様な展覧会が実現したことについて「私は甘やかされている子供のような気がします」と語るドリス氏。しかし事実は逆だと思います。彼がファッションを信じ、顧客に捧げ続けてきた“Love”に世の中が報いたい、と思ったからこそ、このような素晴らしい展覧会が実現したのだと思います。
この展覧会は彼のファンのみならず、ファッションの本質を信じ、愛し続けるすべての人達への、ドリス・ヴァン・ノッテンからの贈り物ではないでしょうか。
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