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ヨコハマトリエンナーレ2014開幕。森村泰昌が語る“忘却”

FASHION HEADLINE / 2014年8月1日 21時0分

「アート・ビン」への作品投棄の様子

森村泰昌がアーティスティック・ディレクターを務める現代アートの国際展「ヨコハマトリエンナーレ2014」が8月1日、開幕した。会期は11月3日まで。主会場は横浜美術館と新港ピア。

第5回となる今回は、国内外の若手や物故作家も含む65組79人の作家が参加。本を読むことも持つことも禁じられた世界を描いたレイ・ブラッドベリのSF小説『華氏451度』になぞらえたタイトル「華氏451の芸術:世界の中心には忘却の海がある」のもと、「忘却」に着目した400点以上の作品を序章と11の挿話として構成する。

7月31日に行われた記者会見では、森村氏と横浜トリエンナーレ組織委員会委員長の逢坂恵理子、参加作家のヴィム・デルボア、ギムホンソック、大竹伸朗、毛利悠子が登壇。

森村氏は「大声で饒舌にアピールされる演説の対極にある、沈黙が内に持つ豊かさを忘れてはならないと思う。語ってはならないとされるもの、空想や妄想、置き去りにされてきてしまったものや忘れてしまったものにまなざしを向け、多種多様な体験に驚かされてほしい」と話し、ポピュリズムにおちいらない展示構成を心掛けると同時に、専門家だけでなく一般に開かれた展示を目指して用意した「ひらがなカタログ」や自らの声でガイドする音声ガイド「ボイナビ」を紹介した。

横浜美術館前で観客を出迎える、全長15m以上の大型トレーラーをゴシック建築風に表現した「低床トレーラー」を展示するデルボア氏は「ご招待いただきありがとうございます」と日本語であいさつ。「普段生活で使っているビニール袋などで何かできないか考えた」という韓国のギムホンソック氏は、パブリック・アートの概念を問う「クマのような構造物」と「八つの息」を発表する。

新港ピアで「本の形をとったボート」ともいえる新作「網膜屋/記憶濾過小屋」を展示する大竹氏は「記憶が下地になっている作品が多いので、テーマ『忘却』」にはすんなり入れた。全く知らない人の家族写真からその人の記憶に入り込み、そこから記憶をつむいでいく今回の新作は、妄想の繰り返し。見ていろいろ感じていただけたら」と話した。毛利氏は「自分自身も忘却していたがいつか作品にしようと思っていた」という、日用品を使ったインスタレーション「アイ・オー―ある作曲家の部屋」を発表する。

また、横浜美術館入口の目の前に設置された、マイケル・ランディによる芸術家のためのゴミ箱「アート・ビン」への作品投棄も同日開始。森村の女装した自らの肖像写真を大きくプリントした作品や参加作家の作品、ゲストで登場した茂木健一郎の作品などが投げ入れられた。

この他期間中は展覧会の世界観を体感できるアーティスト・プロジェクトやトーク、ワークショップなど多様なパブリック・プログラムを実施。会期に合わせた五つの「創造界隈拠点連携プログラム」も開催される。

今年は日中韓3ヶ国で開催している「東アジア文化都市 2014 横浜」の特別事業にも位置付けられている。目標来場者数は30万人以上。


【イベント情報】
ヨコハマトリエンナーレ2014「華氏451の芸術:世界の中心には忘却の海がある」
会場:横浜美術館(横浜市西区みなとみらい3-4-1)、新港ピア(横浜市中区新港2-5)
会期:8月1日から11月3日
時間:10:00から18:00(8月9日、9月13日、10月11日、 11月1日は20:00まで開場)
料金:一般1,800円 大学・専門学校生1,200円 高校生800円
休場日:第1・第3木曜日

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