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宇野亜喜良、新宿伊勢丹ウインドーに“空想世界をたゆたう女性”描く

FASHION HEADLINE / 2014年8月26日 21時50分

伊勢丹の「彩り祭」メインビジュアル

日本を代表するイラストレーター・宇野亜喜良が、8月27日から9月9日まで伊勢丹新宿店本館・メンズ館各階で開催される「彩り祭」のビジュアルを手掛けた。

イベントのコンセプトは「空想百貨博物館」。同博物館で観賞することができる六つの部屋を、キャラクターの異なる6人の女性が暮らす部屋であると設定し、それぞれの特徴を示した解説に、タイプごとの女性のイラストを添えていった。いずれの女性も神秘的なムードを醸し、「空想上の博物館」にしっくりくる表情を浮かべているのが興味深い。

6タイプの女性は、寡黙類、多忙類、潔癖類、友愛類、虚無類、夢想類に分類される。

1日の大半を、何かを考え込んでいるかのようにじっとして過ごす「寡黙類」の部屋には、熟しても果実が割れないことから「口無し」と名付けられたとの説を持つ「クチナシ」の花が咲く。また、こうしたイメージから、無駄使いを防ぐためにしっかりと“口を閉じた”財布も、この部屋で見られることが多いという。

常にあくせくと動きまわっている「多忙類」の部屋で見ることができるのは、一時も休むことなく働き続ける時計だ。清潔を好む「潔癖類」の部屋にはアライグマが生息し、汚れたものをせっせと洗い続けているのだとか。もちろん、洗い物をした後の必需品・ハンカチも同様だ。

慈愛の精神に満ち溢れた「友愛類」の部屋には、他者への疑いを持つ能力に欠けていたことなどが原因で、乱獲されて絶滅したドードーが暮らしているらしい。友愛のシンボルとされるふたご座が輝くのもこの部屋だ。

実在感の乏しい「虚無類」の部屋には、自分自身の存在を確認するために鏡が設置されているが、現実とは反転した姿でしか自らを確認することができない。この部屋に用意されたグラスは、ふとしたはずみで割れる可能性を有したガラス製。中身が空であることが多いのは、何かが注がれるのを待っている時間が長いため。

空想に身を委ねがちな「夢想類」の部屋では、外の世界へと羽ばたく日を夢見るカイコガを確認することができる。また、煌びやかなものに目がないこのタイプらしく、貴金属や宝石も、アクセサリーケースにしまわず眺めていることが多い。

六つの分類に基づいた展示は、伊勢丹新宿店ショーウィンドーを中心に展開される。また、それぞれのタイプについての詳しい解説は、彩り祭特設サイトでも確認可能。

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