まだ遅くない! 50代からでも始められるiDeCo
ファイナンシャルフィールド / 2021年5月24日 11時30分
皆さんは、iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入していますか。iDeCoは2016年の法改正により、加入者範囲が公務員や専業主婦にまで広がりました。
従って、現在は原則60歳未満の国民年金被保険者のほとんどの方が対象です。しかし、50歳代の場合は加入期間が短くなるため、躊躇(ちゅうちょ)している方もいらっしゃるでしょう。
そんな50歳代の方に朗報です。2022年5月からは、65歳になるまでiDeCoに加入できるようになるからです。今回は、iDeCoの法改正、メリットや注意点について解説したいと思います。
そもそもiDeCoって何がいいの?
iDeCoのメリットは、大きく3つあります。
1)掛け金の全額が所得控除対象
所得税は、収入から経費(会社員や公務員の場合は給与所得控除)と所得控除分を差し引いた金額(課税所得)に対して、税率をかけて計算します。iDeCoの掛け金は全額所得控除されますので、所得税、住民税の負担を減らすことができます。
2)運用益が非課税
通常、株式の配当金や投資信託の運用益、また定期預金の利息などは、20.315%の税金がかかります。iDeCoの掛け金で得た運用益は非課税のため、税金がかかりません。早く始めることで長期運用の複利効果が得られる可能性がありますので、大きな非課税メリットが生まれます。
3)受け取るときにも税制優遇
iDeCoで運用した掛け金を受け取る際は、「年金」「一括」「年金と一括の組み合わせ」を選ぶことができます。年金で受け取る場合は「公的年金等控除」、一括で受け取る場合は「退職所得控除」の適用となります。
具体的に数字で考えてみよう
iDeCoを始めるメリットは、何といっても税制優遇を受けられることでしょう。例えば、毎月の掛け金が1万円で所得税、住民税がそれぞれ10%の場合、年間2万4000円の税金が軽減できます。年収が上がれば税率が高くなりますので、より節税効果が出てきます。
法改正で何が変わるの?
2022年5月より、原則、国民年金被保険者の方は65歳未満まで加入できるようになります。具体的には、以下の条件に該当する方が対象です。
●60歳以降も会社員や公務員として働く65歳未満の方
●任意加入被保険者として国民年金に加入している65歳未満の方
現在、50歳代の方も条件が合えば、時期によっては10年以上iDeCoに加入して毎年掛け金を拠出することで、税金の負担を軽減し、結果的に手取り収入を増やすことができます。
iDeCoの注意点
このようにメリットの多いiDeCoですが、注意しなければいけない以下のようなポイントがあります。
●原則、60歳まで年金資産の受け取りができない
●加入期間が10年以上必要(10年に満たない場合、受給可能年齢が繰り下げられます)
●手数料がかかる(口座管理手数料は、加入する金融機関によって異なります)
●運用リスクがある(資産が減る場合があります)
まとめ
iDeCoは、掛け金と運用益が全額非課税となるほか、受取時に各種控除が適用され、税制面で3つのメリットを得ることができます。加入可能年齢が65歳未満に拡大されることで、現在50歳代で加入していない方も検討に値すると思います。
また、2022年4月以降は、老齢年金(公的年金)の繰り下げ受給が75歳まで可能になります。75歳で年金を受け取った場合は、なんと84%の増額となります。今回のiDeCoの加入可能年齢や老齢年金の繰り下げ期間の変更は、長寿化に向けた国の取り組みの1つですが、資産寿命を延ばすために、制度趣旨と注意点を理解した上でうまく活用したいものです。
出典
iDeCo公式サイト
公益財団法人 生命保険文化センター 老齢年金の繰上げ・繰下げ受給について知りたい
執筆者:廣重啓二郎
佐賀FPオフィス 代表、ファイナンシャルプランナー、一般社団法人日本相続支援士会理事、佐賀県金融広報アドバイザー、DCアドバイザー
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