「助けてください!お金がありません」生活を支えてくれる支援を知ろう!(2)
ファイナンシャルフィールド / 2021年7月2日 9時30分
平成27年4月から、生活困窮者の支援事業が開始されました。経済的に困窮し、このままでは生活保護に至る状態でも、自立して生活を立て直すことが見込まれる場合に、生活困窮者自立支援法による生活困窮者自立支援制度により支援が行われます。 家賃が払えなくて住むところを追い出された、人との接触が苦手で就労困難、どうしたら困窮から抜け出せるのか分からないなどの一人ひとりの相談に、自立できるように計画を立て、寄り添う支援がされます。 自立支援事業には、以下のようなものがあります。
自立相談支援事業
生活が困窮するばかりで、どうやって立て直して良いのか分からない。問題がいくつも絡まって、どのようにすれば困窮から脱出できるのか分からない。障害のため、働き口が見つからない。引きこもっているため、職にも就けない。家賃を払えなくて追い出され、今は住居がない。
ひと口に生活に困窮しているといっても、一人ひとり異なる問題を抱えています。相談支援員が、生活困窮者それぞれに対して自立に向けたプランを作成します。手続きに同行したり、就労の支援をしたり、生活困窮者が自立した生活ができるように支援します。
住宅確保給付金で住まいを確保する
生活に困窮し、借り入れ等で立て直しをしていく上で、家賃の支払いはかなり大きな負担です。一刻も早く立て直してもらうために、家賃分を行政が負担してくれる制度です。
住宅確保給付金は、生計維持者が離職・廃業後2年以内、もしくは自分の責任によらず同程度に収入が減少している世帯の生活の立て直しを後押しするため、家賃分を自治体が負担してくれる制度です。住む場所の心配がないため、安心して仕事ができます。
お住まいの地域の生活困窮者自立相談支援機関が窓口です。
受託確保給付金は原則、家賃3ヶ月分ですが、再支給が令和3年9月末まで延長されています。また、令和2年度中に申請した場合は、最長12ヶ月まで延長可能となっています。
受給をするためには、
●直近の収入<市町村民税の均等割り額が非課税となる額の1/12(基準額)+家賃の額(上限あり)である
●世帯の預貯金合計額が基準額の6月分以下、かつ100万円以下
を満たす方が、誠実かつ熱心な求職活動をすることが必要です。
(厚生労働省「住宅確保給付金特設サイト」より要約引用)
また、児童扶養手当を受給しているひとり親が、母子・父子自立支援プログラム(個別対応)の策定を受け、自立に向け意欲的に取り組む方の場合、ひとり親家庭住宅支援資金を原則12ヶ月(月4万円の上限)借りられます。1年以内に母子父子自立支援プログラムに合致した職に就き1年間継続すると、償還免除になります(ひとり親家庭住宅支援資金貸付)。
就労準備支援事業・就労訓練事業
就労準備支援事業は、すぐに就労することが困難(社会とうまく関われない・人とのコミュニケーションが苦手)な場合に、6ヶ月から1年間、プログラムにより就労に向けた能力を養いながら、就労機会の提供を受けられます(※受けるためには、資産収入に関する要件あり)。
就労訓練事業は、一般就労することが困難な方のために、その方に会った作業機会を提供しつつ、個別の支援プログラムに基づき、一般就労に向けた支援を中・長期的に実施する就労訓練事業もあります。
一時生活支援事業・家計相談支援事業
一時生活支援事業は、住居のない方に一定期間衣食住を提供し、同時に、自立して生活していくための就労支援も行うものです。
家計相談支援事業は、家計の問題を明確にして、相談者が自ら管理できるよう、支援計画から必要な資金調達等、あっせんや関係機関につなぎ、なるべく早くの生活再建ができることを目指すものです。
負の連鎖を断ち切る! 子どもの学習・生活事業
子どもの学習面での支援だけでなく、日常的な生活習慣や仲間と出会い・活動ができる等の居場所づくり、進学に関する支援や生活困窮のために進学した高校を中退しないよう防止するための支援等、子どもと保護者の両方に必要な支援を行うものです(※資産収入に条件があります)。
万が一の場合に生活を支える仕組みです。詳細は、お住まいの都道府県・政令指定都市へお問い合わせください。
参考・引用
厚生労働省「生活を支えるための支援のご案内 令和3年4月1日更新(令和3年6月3日一部更新)分」
厚生労働省「ひとり親家庭高等職業訓練促進資金の貸付(住宅支援資金貸付の新設)について」
厚生労働省「生活支援特設ホームページ」
厚生労働省「住宅確保給付金」
厚生労働省「新型コロナウイルス感染症生活困窮者自立支援金」
厚生労働省「制度の紹介/生活困窮者自立支援制度では次のような支援を行っています」
厚生労働省「自立相談支援機関窓口情報(令和2年5月25日現在)/お金、仕事、住宅など、生活に関するお悩みはこちらの窓口にご相談ください。」
執筆者:林智慮
CFP(R)認定者
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