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高齢になってから、高額な医療費がかかる場合、どんな制度があるの?

ファイナンシャルフィールド / 2021年7月7日 10時10分

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年を重ねると、若いときは無理をしても一晩ぐっすり眠れば解消されていた疲れがなかなか取れなかったり、何となく体調不良を感じたりすることがあります。疲れや体調不良の原因が病気であり、治療に高額の医療費が必要となった場合、その支出は家計にとって大きな負担となります。   今回は、70歳以上の方の高額療養費制度についてお伝えします。

高額療養費制度

医療費の家計負担が重くならないよう、医療機関や薬局の窓口で支払う1ヶ月(月の初めから終わりまで)の医療費が年齢や所得に応じて定められた上限額を超えた場合には、超えた分が「高額療養費制度」により支給されます。
 
毎月の自己負担の上限額は、70歳以上か未満か、また所得水準によっても分けられています。70歳以上の医療費の自己負担の上限額(平成30年8月診療分から)は、以下のとおりとなっています。
 

※厚生労働省 「高額療養費制度を利用される皆さまへ」より筆者作成
 

高額療養費制度でいくらお金が戻ってくるのか

72歳で年収400万円のAさんが、病気の治療のため1月10日~25日まで入院し、かかった医療費が100万円(入院時の食費負担や差額ベッド代などを含まず)であり、退院時に医療機関の窓口で30万円を支払ったと仮定します。
 
Aさんは70歳以上で、年収が約370万円~770万円の範囲であるため、窓口では3割負担となりますが、高額療養費制度により1ヶ月の自己負担の上限額は以下となります。

8万100円+(100万円-26万7000円)×1%=8万7430円

 
つまり、実際に自己負担する額は30万円ではなく、8万7430円となります。
 
しかしながら、退院時に窓口で30万円を支払い済みのため、差分の21万2570円(=30万円-8万7430円)は高額療養費の支給対象として後から戻ってきます。
 
高額療養費を受け取るには、加入している公的医療保険(健康保険組合・協会けんぽの都道府県支部・市町村国保・後期高齢者医療制度・共済組合など)に申請します。
 

限度額適用認定証の交付

医療費が後から戻ってくると分かっても、窓口での高額な医療費の支払いは負担に感じます。お金が戻ってくるのを待たずに、あらかじめ医療機関の窓口で実際の自己負担の上限額まで支払えばよいとなると、退院時に高額な医療費を準備する必要がなくなり、負担が軽減されます。
 
退院時の窓口での支払いを自己負担の上限額までにしたい方は、入院する前に加入している公的医療保険から「限度額適用認定証」または「限度額適用・標準負担額減額認定証」の交付を受け、認定証を医療機関の窓口で提示しましょう。
 
高額療養費の問い合わせ先は、加入している医療保険制度により異なります。手持ちの健康保険証に記載されている保険者(○○健康保険組合、○○国民健康保険組合など)が問い合わせ先となります。
 
参考
厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆さまへ
 
執筆者:杉浦詔子
ファイナンシャルプランナー/産業カウンセラー/キャリアコンサルタント

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