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年金だけで生活できない場合、支援制度はある? 生活保護は申請可能?

ファイナンシャルフィールド / 2021年7月13日 23時0分

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仕事をリタイアした後の老後の生活費は、公的年金が大きな柱となります。しかし、それだけでは、ほとんどの方の生活が成り立たないことは周知の事実です。2019年には金融庁から「2000万円足りない」という報告書もありました。   では、実際に年金が少なくて生活ができない状況になったとき、どうすればいいのでしょうか。

リタイア後の生活設計

仕事をリタイアした後は、就労による収入がなくなるので、年金等の収入で足りない分は貯蓄を取り崩すなどして賄うことになります。前述の金融庁による報告書では、高齢夫婦無職世帯の平均的な実支出は月額26万3718円となっています。
 
当然、支出額は平均より多い人も少ない人もいますので、自分がどうなるかを予測して対策をしなければなりません。50歳以上の場合、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」に、このまま60歳まで同じ条件で年金に加入し続けた場合にもらえる年金受取見込額も記載されていますので、必ず確認してください。
 
老後の生活費のうち、年金で不足する分の対策については、

●退職金を貯蓄する
●付加年金を納める
●国民年金の任意加入で老齢基礎年金を満額にする
●定年後も就労して厚生年金に加入する
●iDeCoなど個人年金に加入して、年金を増やす
●年金受取時期を繰り下げて、年金額を増やす

など、対策を始める年齢や就労状況によってさまざまです。若いうちから老後のことを考える人は少ないかもしれませんが、早く対策を始める方が選択肢も多く安心です。
 

年金生活者支援給付金制度

国民年金しか受け取れない場合、満額でも年額78万900円です(2021年4月)。自営業の方などは国民年金のみということもありますが、以下の要件の全てに当てはまれば「年金生活者支援給付金」を受け取ることができます。
 

(1)65歳以上の老齢基礎年金の受給者である
(2)同一世帯の全員が市町村民税非課税である
(3)前年の公的年金等の収入金額と、その他の所得との合計額が87万9900円以下である

 
給付額は月額5000円を基準として、以下の(1)と(2)の合計額です。
 

(1)保険料納付済期間に基づく額(月額)=5030円×保険料納付済期間/被保険者月数480月
(2)保険料免除期間に基づく額(月額)=1万845円×保険料免除期間/被保険者月数480月

例)

保険料を480ヶ月納付していた場合=5030円×480/480=5030円
  月額5030円(年額6万360円)

 
2019年10月に始まったこの制度は、消費税率の引き上げ分を活用し、年金に上乗せして支給するもので、受け取りには請求が必要です。また、障害基礎年金や遺族基礎年金の受給者の場合は内容や要件なども異なりますので、厚生労働省のホームページなどで確認してください。
 

生活保護

資産や能力など全てを活用しても、なお生活に困窮する人に対して必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を促すのが「生活保護制度」です。
 
【図表】生活保護世帯数

高齢者世帯 母子世帯 障害者世帯 傷病者世帯 その他世帯 合計
90万6027 7万7307 20万3451 19万9732 24万1161 162万7678

※厚生労働省 「被保護者調査」(2020年3月確定数)より筆者作成
 
生活保護は原則、世帯を単位として判断されます。上の表のように高齢者世帯が半数を超えており、年金で生活できない高齢者が生活保護を受けている現状があります。生活保護の金額は、地域やその方の状況により異なりますが、最低限度の生活が困難であれば受給できます。
 
生活保護が必要な状況でも受けない方の一番の理由は、家族などに援助の可否を確認する「扶養照会」といわれています。これを理由に生活保護を受けず、路上生活などになる例が多く問題とされてきました。2021年2月には厚生労働省から自治体宛ての事務連絡も出ており、扶養照会の緩和に動いているようです。
 
文化的な最低限の生活は憲法で保障された権利ですので、もし老後に必要になったときには権利を行使して生活を守りましょう。
 
出典
金融庁 金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 「高齢社会における資産形成・管理」
厚生労働省 「年金生活者支援給付金制度」について
厚生労働省 被保護者調査
厚生労働省社会・援護局保護課 扶養義務履行が期待できない者の判断基準の留意点等について
 
執筆者:宿輪德幸
CFP(R)認定者、行政書士

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