あえて111万円贈与して名義預金を避ける? 知らなきゃ損する節税テクニック
ファイナンシャルフィールド / 2021年7月18日 3時0分
相続税の節税対策としてよく知られているのが、生前贈与を活用する方法です。しかし、生前贈与をしたのに相続税が課税されるケースがあることを耳にして、不安を感じている方もいるのではないでしょうか。 生前贈与に相続税が課税されるケースの多くが、「名義預金」と見なされたために起こるものです。 そこでこの記事では、名義預金とは何かの説明に加え、名義預金と見なされる条件や、生前贈与が名義預金と判断されることを回避するテクニックをまとめました。相続税対策を万全にする対策のひとつとして、ぜひご活用ください。
名義預金とは
名義預金とは「亡くなった人(被相続人)の名義ではないにもかかわらず、相続税の対象となる預金」のことです。簡単にいうと、次のような条件に当てはまる預金が、名義預金として扱われます。
●預金の資金拠出者が被相続人である
●被相続人以外の名義である
●被相続人から正式に贈与を受けたものではない
●被相続人が管理していた預金である
名義預金に該当することの多い代表的な例は、次の2つです。
■配偶者名義の預金
例えば妻名義の預金であっても、お金を稼いできたのが夫である部分については、名義預金と見なされ、夫の遺産として扱われます。家計用の預金で妻が主に管理していたとしても、夫が家計の主宰者であり、妻は代理にすぎないと見なされるケースが多いようです。
■子・孫名義の預金
亡くなった人が子や孫の名義で預金していた場合、次のようなケースでは名義預金と見なされる可能性が高くなります。
●名義人が自由に使える状態になかった
●贈与契約書などは作成されておらず、贈与税の申告もなかった
名義預金と見なされないための3つの対策
自分としては生前贈与をしたつもりでも、状況から名義預金と見なされる場合もあります。受贈者が将来思ってもみなかった相続税を納めることにならないよう、生前贈与をする際には次のような対策をとりましょう。
1.贈与契約書を作成する
2.贈与を受ける人が使っている口座を利用する
3.あえて一度、111万円を贈与し、贈与税を申告する
以下でそれぞれの対策方法について、詳しく解説します。
1.贈与契約書を作成する
贈与であったことを客観的に証明するために、贈与契約書を作成しましょう。贈与契約書を作成する際のポイントは、以下の2点です。
●贈与する金額、贈与の方法、贈与契約日を明記する
●可能であれば、贈与する人(贈与者)と贈与される人(受贈者)がそれぞれ自筆で署名し、押印する(認印可)のが望ましい
署名以外の文面はパソコンなどで作成したものでかまいません。不動産の贈与の場合は印紙税が一律200円、負担付贈与の場合には金額相当で判断されます。
2.贈与を受ける人が使っている口座を利用する
受贈者が贈与されたお金を自由に管理できる状態になければ、名義預金と見なされる可能性があります。
受贈者がお金を管理していることが明確になるよう、受贈者が以前から使っている普通預金の口座に、贈与するお金を振り込むとよいでしょう。もともと日常的に使用していた口座であれば、受贈者が自由にお金を使える状態にあることを、疑う余地はないはずです。
3.あえて一度、111万円を贈与し、贈与税の申告書を取得する
あえて贈与税の基礎控除額110万円を超える金額の贈与をし、贈与税の確定申告をすることもプラスアルファの対策として有効です。確定申告書を提出し、納税することで、税務署に対して贈与が確かに成立しているというアピールができます。
例えば111万円の贈与をした場合の贈与税額は1000円なので、金銭的にもそこまで大きな負担というわけではありません。
生前贈与が名義預金と判断されないようしっかり対策を
相続税を節約するために、生前贈与を活用しようと考えている方も多いでしょう。しかし、思わぬ理由から、生前贈与の預金が名義預金として相続税の対象となる可能性があります。
せっかく生前贈与を重ねて相続に備えたつもりでも、名義預金と見なされれば、無駄になってしまいます。将来、大切な人ができるだけ余計な負担をすることなく財産を相続できるように、できる対策は全てとり、万全の状態に整えておきましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー
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