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相続人全員が放棄した遺産はどこへいくの?

ファイナンシャルフィールド / 2021年7月25日 23時0分

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被相続人である親の借金や負債の相続放棄を考えていて、全員が相続放棄をした場合にどうなるのか疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。   相続人全員が相続放棄した場合、借金を返済して残った財産については国庫に帰属します。債権者への借金の弁済は相続財産管理人が行いますので、相続人が対応する必要はありません。   ここでは、被相続人の借金や負債を相続人全員が相続放棄した場合について解説します。

相続放棄とは

相続放棄(そうぞくほうき)とは、被相続人の財産の権利・義務を放棄することです。通常、相続する際の選択肢には「単純承認」「限定承認」「相続放棄」の3つがあります。
 

単純承認 被相続人の資産や借金などをすべて相続
限定承認 被相続人の資産(プラスの財産)の範囲で
負債(マイナスの財産)を承継
相続放棄 資産も借金もすべて相続しない

 
相続放棄は、相続資産より借金が多い場合などに、弁済を回避する目的で選ばれます。相続放棄の期限は3ヶ月で、期限内に家庭裁判所での手続きを行わなければなりません。
 
相続放棄をすれば、法的には最初から相続人でなかったという扱いになります。

 

借金や負債など相続人全員が相続放棄をすることが可能

被相続人の借金や負債などを、相続人全員が相続放棄をすることはできます。全員が相続放棄をして、借金返済などが終わった後に相続財産が残っている場合は、亡くなった人と特別な縁故があった特別縁故者が財産をもらうこととなります。そのような人がいない場合は国庫に帰属します。そのサポートを行うのが、相続財産管理人です。
 
家庭裁判所に申し立てをすると相続財産管理人が選ばれ、請求の確定を行い、相続財産を清算します。ここでは、借金や負債など相続人全員が相続放棄をした場合について見ていきましょう。

 

全員が相続放棄をしたら「相続財産法人」として扱われる

被相続人の資産などを相続人全員が相続放棄をした場合は、相続人が誰もいないことになります。相続人がいることが明らかでない財産については「相続財産法人」として自動的に法人化されます。
 
そして、家庭裁判所への申し立てが認められると相続財産管理人が選任される仕組みです。相続財産管理人は、裁判所が中立な立場の方を選ぶため、ほとんどの場合は弁護士が選ばれます。
 
相続財産管理人は被相続人の資産や負債などを調べ、資産を清算して債権者に配当します。そのうえで、資産が残った場合は国に引き継ぐ業務を行うのが役割です。

 

相続財産管理人がつかない場合もある

相続人全員が相続放棄をしたからといって、必ず相続財産管理人がつくわけではありません。相続財産管理人は、債権者からの申し立てがないとつかないためです。
 
債権者が申し立てをする際は家庭裁判所に予納金の支払いが必要なうえに、財産が残っていない場合は回収もできません。
 
そのため、債権者はある程度、資産の回収見込みがある場合でしか申し立てを行いません。

 

借金は相続財産を現金化して弁済

相続人全員が相続放棄をした場合、選ばれた相続財産管理人は時間をかけて債権者からの請求を確定します。そして、家庭裁判所の許可を得たうえで、相続財産を現金化して弁済を行います。
 
遺産を取得できる優先順位は、以下のように決まっています。
 

1.債権者
2.遺言により財産をもらう受遺者
3.特別縁故者
4.遺産の共有者

 
そのため、遺産は債権者から優先的に弁済されます。債権者が複数いる場合は、債権額に応じて配当されるのが一般的です。

 

相続放棄をしても連帯保証債務からは免れない

相続人が被相続人の借金の連帯保証人になっている場合は、相続放棄をすることで借金の返済義務は免れます。しかし、連帯保証債務からは免れることができないので、借金の返済義務を負います。
 
例えば、子供が亡くなった親の借金の連帯保証人になっている場合は、相続放棄をしたとしても借金返済をしなければいけません。

 

全員で相続放棄をする前に対象者全員でよく話し合うことが大切

被相続人の借金や負債を相続人全員が相続放棄した場合、相続財産管理人が財産を現金化して債権者に配当し、借金を返済して残った財産について国庫に帰属します。
 
一度、相続放棄を申請してしまうと、相続放棄を撤回することは原則できません。脅迫や詐欺被害にあった場合のみ例外として認められます。
 
また、連帯保証人になっている場合は連帯保証債務から免れません。
 
大切な財産が絡み、あとでトラブルになる可能性もあるため、全員で相続放棄をする場合は、相続放棄のメリット・デメリットなどを考えて対象者全員でよく話し合ったうえで決めることが大切です。

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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