美容医療サービスでのトラブルって? クーリング・オフできる?
ファイナンシャルフィールド / 2021年9月3日 9時0分
「キレイになりたい」「若さを保ちたい」「外見が変われば自分の世界が変わるかも」「コロナ太りしたから今すぐ痩せたい」。 いつも美しくありたいと願う方のなかには、美容医療サービスに興味を持っている方がいらっしゃいます。しかし、トラブルも多く発生しているのも事実です。 特に、見た目が気になる若い世代の相談が多くなっています(消費者庁「令和3年消費者白書」より)。
美容医療サービス、クーリング・オフできます
令和3年4月8日、令和3年5月13日の国民生活センター報道発表資料によれば、
・無料エステを受けた後、別室で有料(20万円)のコースの勧誘をされ、断ってもしつこく勧誘され続け契約してしまう
・インターネット広告で包茎手術5万円とあったので無料相談に行ったら、その日のうちに50万円の施術をされてしまった
・10万円の全身脱毛のカウンセリングにいったら、70万円のコースを契約させられた。クーリング・オフをしたいがクリニックが認めない
といった契約上のトラブルが報告されています。
他にも、この場で決めてくれれば◯◯円値引きするなどと契約を急がされた、中途解約ができないと言われた、現在無職なのに前職の年収で申告するよう言われるなど、虚偽の申告をさせられた等のトラブルがあります。
特定商取引法に、美容医療サービスの契約が追加されました(2017年12月1日施行)。
・提供期間が1ヶ月を超え、金額が5万円を超える
・脱毛、皮膚の付着物の除去および活性化、しわ・たるみの軽減、脂肪の減少、歯の漂白
などの美容医療サービスである。
以上を満たす場合に、特定商取引法の特定継続的役務提供の適用を受けます。クーリング・オフの対象です(契約書面を受け取ってから8日間です)。契約内容や解約の条件に変だなと思ったら、速やかに電話で188(消費者ホットライン)に相談しましょう。
他に、「施術当日に化粧ができる、という広告を見て二重まぶた形成手術を受けたが、術後の腫れが引かない」というような医療上のトラブルは、お住まいの地域の医療安全支援センターへ相談しましょう。
GLP-1ダイエット、糖尿病でもないのに大丈夫?
コロナ禍で、あらゆることがオンライン化されています。
それに伴い、美容医療をオンライン診療で行うクリニックに関する相談が、増加しています。「通院時間ゼロ、毎時間ゼロ」「オンラインチャットで医師に相談できる」「全国どこにいても利用することができる」のが利点です。
そのような中、「GLP-1 ダイエット」と称する療法(2型糖尿病治療薬をやせ薬として自己注射するもの)について、国民生活センターは注意喚起を行っています(国民生活センター「自宅で完結? 手軽に痩せられる? 痩身をうたうオンライン美容医療にご注意!-糖尿病治療薬を痩身目的で消費者に自己注射させるケースがみられます-」より)。
アドバイザーから自己注射の方法や薬量の指示をされるだけで、副作用が出ても医師の対応がされない、薬剤の説明や管理が不十分であるという問題のほか、医療広告ガイドラインに沿わない内容が掲載されていた診療が、一部の医療機関で行われていたという情報もあります。
2型糖尿病でない日本人が、GLP-1をダイエットや痩せる目的で使用することの安全性・有効性は確認されていません。厚生労働省が認可しているのは、GLP-1を2型糖尿病治療の目的で使用することについてです。ご注意ください。
美容医療を受ける前に再チェック!
美容サービスに関するトラブルを回避するために、消費者庁、厚生労働省、国民生活センターによるチェックリスト「美容医療を受ける前にもう一度」が公開されています。
(以下、消費者庁「美容医療を受ける前に確認したい事項と相談窓口について」より引用)
Check1
使用する薬などがどのようなものか、自分でも説明できますか?
Check2
効果だけでなく、リスクや副作用などについても知り、納得しましたか?
Check3
ほかの方法や選択肢の説明も受け、自分で選択しましたか?
Check4
その美容医療は「今すぐ」必要? 最後にもう一度、確認しましょう
美容医療を受ける前に、もう一度再チェック!説明を受けていない場合、医師に聞いて、納得してから受けましょう。
そして、トラブルが起こってしまった場合、
・医療に関するトラブルは、お住まいの地域の医療安全支援センター
・契約に関するトラブルは、局番なしの188(消費者ホットライン)
へ、相談しましょう。
(参考・引用)
消費者庁「美容医療を受ける前に確認したい事項と相談窓口について」
国民生活センター「自宅で完結?手軽に痩せられる?痩身をうたうオンライン美容医療にご注意!-糖尿病治療薬を痩身目的で消費者に自己注射させるケースがみられます-」
国民生活センター「美容医療でクーリング・オフが可能なケースも!-特定商取引法に美容医療のルールが加わりました-」
国民生活センター 令和3年5月13日 報道発表資料 「【若者向け注意喚起シリーズ <No.1>】 美容医療サービスのトラブル -「10万円」のつもりが「70万円」の契約!?即日施術は避けリスク等の確認を!」
消費者庁「令和3年版消費者白書」
執筆者:林智慮
CFP(R)認定者
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